ノルマは思考停止の証し

あるエリアに所在する地域金融機関 (数十社) の幹部向けに話す機会がありました。

リレバン、顧客本位のビジネスモデル、共通価値の創造、ポスト検査マニュアル、AIフィンテックの影響といった“地域金融の勘所”を話したあと、出席者の方々に「現場の行動は経営理念と合致しているか」との視点で、フリーディスカッションを行ってもらいました。

残念ながらほとんどの金融機関では、経営理念と現場の行動が乖離しているようです。

多くの地域金融機関が経営環境の厳しさから目先の利益にこだわるがあまり、物売りと化して、ノルマ営業にドップリとはまっているように感じられました。

「ノルマを課すのが一番簡単。経営や本部に問題あり。」との意見も。

そうなんです。

ルールベースと形式主義とモノマネ病に感染して、思考停止になった経営陣や本部の責任は重いですね。

昨今、

メガバンクのノルマ撤廃が話題になっています。

地域金融機関が表面つらだけでノルマ廃止をモノマネする流れが出るのかもしれませんが、カタチだけ真似をしても上手くいくとは思えません。

生兵法はケガのもと。

 


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コメント

  1. kumamon より:

    企業の目指すべき方向性や役職員の業務にあたる際の姿勢などが経営理念に書かれていることが多いようですが、本来の理念というに相応しいものはどれだけあるのでしょう?だいたい理念とはどういう意味なのか、どういうものを理念というのか、しっかり理解している経営陣はそう多くはないと、、、

  2. 森脇ゆき より:

    現場の人間でなく、幹部向けの集まりだったのですよね?

    「経営理念と現場の行動が乖離しており、経営や本部に問題あり」

    との意見が出たのが驚きです。

    分かっているのなら、改めていただきたいです。

    お客様本位のほうが利益が出る!

    事例をご紹介申し上げます。

    自身(自店)の担当エリアを畑に例えます。

    まずは、目先の収益優先の例

    さまざまな種類の野菜が育っている農地を与えられた担当が、しっかり実った野菜以外も収穫してしまう。

    新芽も、”付け合わせ”にと引っこ抜いてしまう。

    全てを食べてしまえば、種すら残らない状態になります。

    そんなところに、退職者が退職金を持ってやってくるとどうなるか・・・。

    一方お客様本位の営業をするとどうなるか?

    焼け野原を与えられても、土を耕し、種を植える(顧客を知るということがココです)

    様々な野菜は実った順番に収穫します。種を残して次回に備える。(お子様お孫様、次世代につながるアプローチ)

    次々実ってくる成果を順番に収穫すればいいのです。

    そのためには、どこに何を植えたのか?収穫時期はいつなのか?を正確に把握し、お世話する必要があります。もちろんしっかり引き継ぎができる状態にします。

    それが顧客管理です。

    お客様本位の営業は、地域や人々の営みの中にしっかりと”当社”を認識していただくことで”常に目先の収益”が順番に、自然ともたらされる状態になります。

    次の担当(支店長)に引き渡す時には、受け継いだ以上の豊かな畑になっていることを目標とします。

    (実際には、新芽も収穫して引き渡す場合が多いのですが・・・。)

    目標撤廃は、焼け野原を少し休ませる行為に感じます。

    自分たちが燃やしてしまった焼け野原を前に、何をするのか?

    ここが未来の金融の分かれ道になると思います。

  3. 森脇ゆき より:

    お客様をお野菜に例えてごめんなさい🙇

  4. 東北の銀行員 より:

    森本紀行さんの昨日付コラムがタイムリーだったので紹介いたします。

    「真の目的も弁えずに、銀行が定めるノルマをこなすことに専念してきた銀行員は、顧客の利益のために何らの価値をも生んでいなかったのですから、生き残れないでしょう。しかし、投資信託販売の真の目的を理解し、銀行経営との間で矛盾に苦しんできた銀行員には、銀行員ではない投資信託業務の専門家としての明るい未来が開けるはずです。」

    なぜ投信を売るのか?その真の目的を理解していないのは意外と経営陣なのかも知れません。

    そして「真の目的を理解し矛盾に苦しんだ銀行員」は「銀行員ではない」道を選び始めています。

    その結果、銀行に「ノルマをこなすことに専念する人間」しかいなくなったら?

    非常に恐ろしいことだと私は思います。