🚩先行する長州

2021年の銀行法改正による規制緩和で、地銀は金融庁から「地域活性化や持続可能な社会の構築に資する」として認可を受ければ、業種に関係なく幅広い事業を営む子会社を持つことができるようになりました。

それ以前に認められていた地域商社、人材派遣、コンサル会社もそうですが、限られた経験しかない銀行員だけで現場を形成できるわけではなく、マネジメントも含め外部人材が必須です。

頑固なまでの生え抜き主義、新卒の定時採用へのこだわりを捨てることは、規制緩和への対応と連動すべきものと考えますが、その観点からも、今回の山口フィナンシャルグループの通年採用には意味があります。

〜通年採用にすることで、海外留学や大学での研究、ボランティア活動などに取り組む学生らでも応募しやすい環境を整える。中途採用については通年採用を導入済みという。山口FGは山口県山陽小野田市で老朽化していた市の施設を国内初の官民連携手法で再開発するプロジェクトや、同県周防大島町において地域課題解決のための人材育成プログラムの策定など金融業務以外の地域共創事業の確立に力を入れている。早期の事業化には多様な人材の獲得が必要と判断した。(日経電子版↓)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC06A460W2A001C2000000/

山口フィナンシャルグループでの外部人材の活躍ぶりは、よく知られているのですが、それをさらに進化させた今回の施策は、地銀の人事戦略の転換点となる予感がします。

このたびの山口フィナンシャルグループの会長解任、記者会見直後の旅芸人ブログでは、「ガバナンスが効いた」と発信しました。 ...
今朝の日経フィナンシャル、橋本卓典さんによる「山口FG、トップ解任で浮かんだ衝撃のガバナンス」です。

コメント

  1. K司 より:

    それ以前に認められていた地域商社、人材派遣、コンサル会社もそうですが、限られた経験しかない銀行員だけで現場を形成できるわけではなく・・・。

    まさにその通りだと思いますし、その点でいえば積極的に幅広い外部人材を受け入れようとしている山口フィナンシャルグループの対応には敬意を表したいと思います。
    ただ一つ危惧することは、幅広い人材を確保できたとしても、新しい事業分野でのマネージメントに銀行の概念でコントロールしようとするとせっかくの人材も活かせられなくなるということです。

    銀行業ではないですが、昔ロート製薬が医薬品とは別に「美と健康」を新しい柱として育てていくという方針をスタートした時、医薬部門で育ってきた社員ではうまくいかなかったので、サントリーを中心に外部人材を導入したケースがあります。
    この時のケースでは「美と健康」の部門の長もサントリーからヘッドハンティングした人材を据え、当時の山田社長(現山田会長)が責任をもって自由にやらせたので、うまくオペレーションできたということがありました。

    山田君がオーナーであり卓越した経営センスを持っていたからこそできたと思いますが、これが医薬業界叩き上げのサラリーマン社長であったらうまくオペレーションできたかは疑問のの頃ところです。ぜひ、山口フィナンシャルグループも新しい人材に大きな自由度を与えて成功事例としていってもらいたいと思います。

    ちなみにロート製薬の話は、山田君が慶應ビジネススクールの同級生でしたので直接聞いた話です。