「首都圏の同業と我々は目指すところが違う。業界内で話をしてもかみ合わない。」
ある地域金融機関の役員 X氏から聞いた話です。
この金融機関の地元はものづくりの長い歴史があるものの、ご多聞に漏れず、産業構造の大きな変化に伴い、地場企業は新しい展開を真剣に考えねばならない段階に来ています。
金融機関の方も、「地元企業との共通価値の創造」という地域金融機関の原理原則に基づき、将来に向けてさまざまな施策を打ち出しています。
「あの時、なぜ何もしなかったのか、と数十年後の子孫の世代から後ろ指さされないためにも、いまやらねばならないことがある。」
この金融機関のトップの言をワタシも聞いたことがあります。
それに対し、首都圏の同業者はどうなのか。
X氏によれば、「我々の業界では、首都圏の地場産業は賃貸アパート/不動産業ですよ。地場金融機関がそういうのだから間違いありません。」
唖然とします。
こういう業種との取引が悪いと決めつけるつもりはないのですが、消費者立地産業だけに依存して、将来に向けて何も施策を考えていないというのは地域金融機関の経営として、あまりにも近視眼的すぎませんか。
コメント
例え同業者でも、横の金融機関(ましてや金融庁)を気にするのではなく、目の前にいる地域とお客様を気にしていただきたいものです。
目の前にいても我々のことを気にしない・目に入らない金融機関に対しては、我々の側としてもこうした金融機関を「気にしない」どころか「存在していないも同然」なのであります。簡単に言えば、「スマホ銀行」に代替可能なのです。
都内こそ、地域コミュニティが壊れつつあることに危機感を感じます。自助と公助だけではダメで共助が必要です。政治と経済だけではダメで、社会が必要です。それを支える協同組織金融機関が、不動産ノンバンクに成り下がってしまったら、誰が地域を支えるのでしょうか?不動産業が地場産業と言うのは詭弁です。