あくまでも一般論であり、個別となると例外もあるのですが、地域の経済力、地域の事業者数と地域金融機関の仕事のやり方には、関係性があると思っています。
ざっくりいえば、過疎地をベースとする金融機関はきめ細かい仕事で顧客の面倒見が良く、大都市部になればなるほど、そこのところが弱く、プロダクトアウトのボリューム追求型になりがちです。
大都市部では手間のかかる顧客から乗り換えることのできる先がいくらでもあるからでしょう。一方、過疎地では代替がないのでそういう芸当はできません。
ところが、リレーションシップ重視で丁寧な仕事をする過疎地の金融機関であっても、大都市部に越境してくるとプロダクトアウトのボリューム型に豹変します。
かくして事業者数の多い地域ではプロダクトアウトのボリューム追求型の金融機関が集い、レッドオーシャンでの血みどろの戦いが繰り広げられているのです。
そして、名古屋金利だ、仙台金利だ、という言葉が飛び交います。
大都市部においても、リレーション重視の丁寧な仕事をすれば、それを評価するお客さまはいると思います。
なぜ、そのような差別化戦略が取れないのか。(実際、そういう仕事ぶりでお客様の支持を受けている大都市を地盤とする金融機関もないわけではありませんが、少数派です。)
レッドオーシャンの叩き合いで、預貸業務は儲からないとばかり、規制緩和を受けてウイングを広げて、成果は上がるのだろうか。
出揃った地域銀行の決算数字を見ながら考えています。