伴走支援といいますが、
そもそも、それなりの規模で業況の良い企業の経営者は事業のこと、経営のことを真剣に考えているし、事業をサポートしてくれる外部ネットワークも持っています。
こういう事業者に対し、金融機関の本業支援はどこまで有効でしょうか。金融機関はいつでも必要なときに金を用立ててくれれば良い、というのが事業者側の本音だと思います。
一方、業況の厳しい事業者となるとそうはいきません。コロナ禍でそういう事業者は急増しています。連続赤字、過剰債務で債務償還年数は長期化、債務超過の可能性も。伴走支援すべき相手はバランスシート(BS)に大きなダメージを負っています。
悪化したBSを改善するには、キャッシュフローを生み出せる事業(工事、商品サービスなど)を切り出し、そこに真摯に取り組んでもらうこと、これを金融機関は資金面からサポートしなければなりません。それも早急に。
これこそが伴走支援の心臓部ではないでしょうか。巷間言われる諸々の伴走支援はそこから派生するもの。
もはや、
20年近く続いた金融検査マニュアルというハードルも存在していません。
キャッシュフロー増加に導くニューマネーを出すにあたって、金融機関が注視すべき点は財務諸表に計上されるものだけではありません。小規模事業者の場合はなおさら。
先週の某地区で話した際には、「知的資産」についても触れました。
森下勉さんの世界です。
パイオニアであり、伝道師でもある森下さんには、昨年11月の岡山セミナーでも登壇いただき、岡山の皆さんとともに勉強しました。
ワタシが初めて知的資産経営の話を聞いたのは2008年ごろ。
当時は兵庫県などきわめて限られた地域での取り組みであり、完全な西高東低。
先駆者である但陽信用金庫(加古川市)の藤後さん(当時、常務理事)から手ほどきを受けました。
そのことを思い出しながら、先週の勉強会では加古川市の「とんかつキリシマ」を例に知的資産経営に関する話をちょっとだけですが、行いました。
~調理力: 材料、味付け、油、お米、仕上がり状態など全てにこだわる
~接客力: お客様の喜ばれる姿を見たいと心から思える
~地域力: ホッと心地よい、お花や音楽を大切にした五感が喜ぶ温もりのある店内
(とんかつキリシマのHPより)