昨日行われた「コーポレートガバナンス改革の課題や改善策を議論する有識者会議」(金融庁にて)についての記事が本日の日経にも掲載されています。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230420&ng=DGKKZO70330630Z10C23A4EE9000
記事にもあるアクションプログラムをじっくり読んだのですが、
内容に違和感は感じません。
この話を地方銀行にあてはめてみます。
今回のアクションプログラムを軽くクリアできる経営を行っているであろう地方銀行のなかには、時価総額が足りないがために機関投資家の対話の対象から漏れ、「隠れた優良株」だなどと言われている銀行があります。
「東証がPBRアンダーパーの企業に対し改善を求めるのは当然だけれど、投資家サイドの体制も不十分ではないか、そちらのほうもなんとかしろ」
との思いが強かった旅芸人ですが、
投資家サイドに対する注文が下記の通り、しっかりと書かれていることに納得しました。
~スチュワードシップ活動の実質化に向けた課題(運用機関における十分なリソースの確保、エンゲージメント手法の工夫、インセンティブの付与、年金等のアセットオー ナーにおける体制の拡充等)の解決に向けて、運用機関・アセットオーナー等の取組みを促進する。【2023 年春から順次実施】
問題は、アクションプログラムに書かれていることを実行に移せる地方銀行がどれだけあるかということです。
今回の議論で、コーポレートガバナンスは形式的なものから実質的なものへと大きく踏み込みました。社外取の数合わせのようなことはできても、取締役会の実効性を高めることはできるか。
形式的から実質的へとレベルアップするステージで、果たしてすべての地銀がついてこれるのでしょうか。
まずは経営陣の自覚と実行力が基本ですが、本部の力量も問われます。「現場が弱体化しているなかで本部に優秀な人材をどんどん投入できない」との声が聞こえる状況で、どのようにやりくりしていくのか。
上場の意味も含め、しっかり議論すべきです。
いずれにしても神輿に乗っかっているだけの経営者の居場所はありません。