毎年この時期になると東洋経済オンラインが、
「定時株主総会における地方銀行の経営トップ(社長・頭取)の賛成率」
のランキングを掲載します。
今年度の数値が、12日の東洋経済オンラインに掲載されています↓
https://toyokeizai.net/articles/-/685420
昨年は「政策保有株の多さ」から京都銀行がワーストでしたが↓、
本年は「ROE」に焦点が当たっています。
~賛成率が最も低かったのは栃木銀行の黒本淳之介頭取。賛成率は58.83%と、上場する地銀の中では唯一の50%台となった。(中略) 栃木銀行の担当者は「ROE(自己資本利益率)の低さが主な要因ではないか」と話す。同行の2023年3月期決算におけるROEは1.7%。(記事より)
~栃木銀の取締役選任議案を見ると、在任4年以上の取締役は賛成率が軒並み80%を切っている。資本効率の低迷を理由に、在任期間が一定年数を上回る取締役に対して機関投資家が一律に反対票を投じたようだ。(記事より)
さて、
旅芸人ブログでは、地方銀行のROEとPBRについての私見を述べていますが↓、
そもそも有価証券運用は水ものだし、顧客本位のもとで濡れ手に泡のような預かり資産業務は論外です。住宅ローンは他業態からの参入も含む苛烈な競争で低リターン、とてもROE向上に貢献するとは思えません。
結局のところ、事業性融資を強化するしかないと思います。
ただ、ぶら下がり融資をいくら積み上げて量を稼いでもROE改善とはならず、
地道な融資活動でお客さまとの信頼関係を築き、資金繰りはもとより、本業面でも相談される(→それが手数料収入につながる)ような立ち位置をめざすことがポイントになると思います。
事業性融資までもが、物売りのプロダクトアウトになってしまった現場をどのように再構築するか。
まずはここからです。