昨日は地域金融のことを多面的に考え、多くの地域金融機関の経営者とコミュニケーションをとっている方と話をする機会をもらいました。
話題の一つは二番手以下の地銀の戦略。
話をするなかで5年余り前に書いたブログ↓のことを思い出しました。
改めて読み返して見てもまったく違和感ありません。
「業務を絞り込むのは良いのですが、プロダクトアウトである限り、果てしないボリューム追求と抜本的なコストダウンが不可避です。AIフィンテックの台頭と異業種の進出の煽りを受けるのはこの分野であり、この特化作戦を成功に導くことは難しいと判断せざるを得ません。」(同ブログより)
と書いていますが、
AIを駆使したネット銀行等の勢いは今年に入りますます加速、金利上昇とともに預貸というストックビジネスに光が見えてきたものの、ワンクリック・バンキングで預金自体の粘着性にも黄色信号が点滅。
5年前の予測以上にアゲンストの風は厳しいものとなっています。
しかるにブログに書いたような施策をとっている地銀は私の知る限りほとんどありません。
率直に言って経営陣の決断力のなさに問題があり、このまま行けば、、、
だから早期退職も急増するのです。
行員が辞めすぎて自滅という流れも非現実ではありません。
5年前に、
「業務を削ぎ落とした上で、やるべき業務を尖らせば良いのです」と書いているのですが、
どこの地域にもトップ地銀と肌の合わない事業者は少なからずいます。こういう事業者を核にして事業性取引の質を上げること、業務を絞り込んでいるからできるはずです。この取り組みは口コミで広がります。
島根銀行が企業支援室(伊藤貢作さんのサポート)の頑張りにより現場が元気を取り戻したといわれるのは、このパターンだと思います。
さらに、
業務のみならず、地域についても県全域で考えるのではなく、県内の主要都市に思い切って絞り込むことも必須です。
そうなると主要都市に本店を構える信用金庫・信用組合との競合となりますが、協同組織金融機関らしさを失っている信金信組も多く、プロダクトアウトのボリューム追求にうつつを抜かしている状況なので、勝算は十分にあります。
なぜ動かない。