今朝、仙台のホテルで天気予報を見ていたところ、朝の宮城県の温度は軒並み20度以下。気持ちの良い朝です。
仙台から山形への移動は本数も多く、スピードも早い高速バスがメインラインなのですが、急遽、予定を変更し、JR仙山線で山形に向かうこととしました。
仙台と山形を結ぶローカル線・仙山線の沿線には2つのハイライトスポットがあります。
一つは作並(さくなみ)。東北有数の温泉郷であり、ウイスキーの熟成地でもあるのですが、仙台・作並の区間で日本初の交流電化が行われたこともあり、日本の交流電化発祥の地ともいえます。駅のホームにある説明板には「新幹線も作並における交流電化から始まった」と言った趣旨の文言が記載されていました。
もう一つは山寺。天台宗の立石寺(りっしゃくじ)です。松尾芭蕉の「おくのほそ道」でも知られています。芭蕉は平泉から、山寺に入り、そこから大石田(最上川の乗船場)へと向かいました。
仙山線の列車は思いのほか混んでおりましたが、乗客の半分以上は山寺駅で下車。山寺から終点山形まではローカル線らしい姿に戻りました。
山寺までの乗客は還暦を越えた熟年層と10代~20代の若者男女に完全に二極化。平日にもかかわらず、山寺の観光客はかなり多そうです。
「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」
芭蕉のこの句のイメージとはかなりのギャップでした。もちろん、観光で生きる地元にとっては大変結構なのですが。
立石寺を見上げて、「おくのほそ道」に浸ったときに、滋賀県大津より「10月に来てほしい」との電話連絡がありました。「大変ありがたいお話です!」とばかり、快諾させていただくと同時に思い浮かんだのが、大津市にある義仲寺(ぎちゅうじ)。
木曽義仲が討死した場所に建てられたお寺です。芭蕉は晩年、何度かこの寺に滞在しています。そこには木曽義仲の墓がありますが、隣り合わせに松尾芭蕉の墓。
「木曽殿と 背中合わせの 寒さかな」 (芭蕉の門人 又玄=ゆうげん)
10月は久しぶりに義仲寺を訪問せねば。