「山梨国際空港」
何それ?と思う方も多いと思います。私は静岡空港をこのように称しています。
静岡空港ができたときの酷評は今でもよく覚えています。茨城空港もそうでしたが、「そんな空港、誰が使うんだ。」という声が多かったですね。
「誰が」というのが、日本人であるとの話でしたね。いまでは、海外からの観光客に注目が集まり、インバウンドという言葉が当たり前のように使われますが、当時は日本人の移動を前提とした議論でした。
静岡空港に厳しい声が浴びせられている時に、アジア(とくに韓国)からの観光客をこの空港へと呼び込み、そこから観光客を吸引する動きをしたところがありました。
それが山梨県の観光業界です。
早い時点で、2泊3日の山梨県内でのゴルフ・パッケージ・ツアーのメニュー等を作り、用意周到に韓国などの顧客に対してマーケティングをおこなっていたと言います。
実際、静岡空港の国際線の出口には、「Yamanashi has fine view !」の文字が入った富士山(もちろん山梨県側から見たものです)の大きなパネル写真が一番のホットゾーンに掲げてあるとのこと。
それに比して、静岡県の観光地は完全に出遅れました。
アジアからの顧客がどんどん来て、それが静岡空港からバスで山梨県へと送りこまれていく姿を見て、「何で山梨なんだ。地元の○○温泉に連れてこい。」と空港に対して文句を言った、まったく持って恥知らずの観光業者もいたようです。
山梨県がここまで頑張ったのは、インバウンド観光で頑張らないと、他に生きる道がないとの危機感があったからだと思います。本気度が違います。
静岡県は全国有数の「ものづくり県」。農業生産高も大きく、漁獲高も大きく、さらには観光資源にも恵まれています。他県からみれば羨ましい限り。さらにいえば、第2次産業が強い地域は、どうしても観光産業を軽く見がちですね。
本日、甲府で会った方によれば、甲府からの静岡県への道路事情が大きく改善され、静岡空港へのアクセスはますます良くなるとのこと。「山梨国際空港」がますます現実味を帯びてくるのではないでしょうか。
コメント
静岡空港には竣工前に訪ねたことがあります。ちょうど、伐りそこなった松の木が問題になってた頃。
まず、非常に簡素な案内所で全体像を把握し、続いて、これまたささやかな見晴台から殺風景な景色を見てました。松の木を遠望しては「アレがそうだぜ」なんて言い合いながらね。何とも手応えのない観光でした。
開港してからも、苦境の様子が時々耳に入り、見かねた鈴与さんが出血覚悟で飛ばしてる、くらいに思ってましたよ。
そうでなんですか山梨県がねえ。それも国際空港ですか。
ホント「誰が」だったんですね。
うまく育って欲しいなあ。