水戸まで日帰りしてきました。
宇都宮もそうですが、東京から列車で一時間余りというのは、地場の百貨店にとっては厳しいですね。いわゆるストロー現象です。
地元の方たちから聞いた話では、数十年前の水戸の中心街は多くの百貨店や商業施設が集積して、多くの人で賑わっていたそうです。ハレの日は家族そろって、ここに集まっていたのです。
残念ながら、いまや中心街のデパートはわずか1軒。かつての中心部である四つ角のホットコーナーは広大な空き地と化しています。道行く人はまばら。
地元の方の話では駐車場がなかったことが致命的。中心街に地下駐車場を作った時にはもはや手遅れ。さらにその地下駐車場もウナギの寝床状態で使い勝手が悪いとのこと。
非常に難しいと思ったのは、かつての商店街だった(過去形)ところが、大きな道路の一本道の両側にあるという点です。顧客動線が悪いですね。大きな道路が商業地区の真ん中を突っ切っている町はどこも苦労しています。三重県の津市、宮崎県の都城市などもよく似ています。
大きな道が走っていると向かい合っている商店は完全に分断されてしまいます。向かい合っている商店を結ぶために信号をたくさん設置すればいいのですが、幹線の交通渋滞を考えると限度があるとの判断みたいですね。
水戸は、歩道橋をたくさん作ったそうですが、わざわざこれを利用する人は少なく、無理な横断が続出。結局、多くの歩道橋は撤去されたそうです。
中心部が衰退する中で、水戸駅の駅ビルと駅のコンコースの方は、多くの人たちの往来がありました。ただ、そこに出店しているものの多くは東京近郊のショッピングセンターや駅ビルの定番ぞろい。
ここが、水戸なのか、どこなのかわかりません。端の方に納豆がぶら下がっているのが視線に入り、やっと、ここは水戸だとわかる始末。
地元のことを熟知していない、よそものが無責任なことを言うべきではないかもしれませんが、地域のアイデンティティーが失われているように思います。
かつては佐竹藩55万石の常陸の国の首邑、江戸時代には徳川御三家・水戸中納言の居城があった都市としては寂しい限りです。
コメント
昨日は講義ありがとうございました。私は、学生の身分ですが、地方金融と地方企業のあり方にのお話は非常に面白かったです。特に、地方金融が地方企業のコンサルタントの様なこともすると言ったお話にはビックリしました。
話は変わって、水戸の名誉ために書かせいただくと、水戸駅南のエクセルみなみには茨城県を代表する酒造メーカの木内酒造やほしいもが有名な幸田商店などのお店があります。そして、そこでは他県では入手が比較的難しい茨城県の美味しいお酒やほしいいもが食べたり、購入することができます。
しかし、この様な茨城県を代表するお店の出店が水戸駅内に少なく、どこでもあるお店がおおくあることは、多胡先生がおっしゃったとおりだと思います。
上記の様に、地元のアイデンティティを押し出そうとしているところもあるのですが、それを観光資源にして経済を回すと言ったことはできていないようです。
参考サイト
木内酒造(木内梅酒や常陸野ネストビールが有名):
http://www.kodawari.cc
幸田商店(丸ほしいもが美味しい):
http://www.k-sho.co.jp
昨日は、さわやかなお話をお聞きすることができ、ありがとうございました。
お話を伺いながら、あらためて茨城の魅力は、農業にあるのではないかと思いました。
めざす農業とは、首都圏や海外の人たちが緑深い里山で土いじりで汗を流した後、新鮮な食材で心を休める。やはり自分たちにとってどうしても必要なものは、こういった形で自然を感じることなんだと思えるような仕掛けで、またそれらに従事している人たちもそれなりに楽しく、満足感を感じられるような仕事になるように持って行きたい。
そう言った活動が食料問題のひとつの解決策になればと考えています。
エメラルドグリーン様
ご指摘ありがとうございます。
次回は是非とも駅南を見てこようと思います。茨城県は非常に産業バランスが良い県ですから、いろいろな展開が期待されますね。
地銀や信金が資金仲介以上にコンサルティングをやるべしというのはここ5年の金融庁からのメッセージです。どこもやっていると言いますが、金融機関によって、本気度が違います。
茨城の発展のために頑張ってください。
里山のキノコ様
茨城県は屈指の農業県です。今も一所懸命にやっておられると思いますが、首都圏だし大消費地に近いし、まだまだやれる余地がありますね。
観光と農業を組み合わせたり、農業と医療を組み合わせたり、ここでも昨日の話のキーワードであるコラボが出てくると思いますよ。
ご活躍をお祈りします。