支援型には参入障壁がある

昨日のブログに対する橋本さんからのコメント、

「回収型金融はRPAやAIで十分に代替可能です」、

同感です。

回収型で働くヒトたちは早々に転職を考えた方が良いですね。

回収型ビジネスモデルはAIフィンテックに席巻されることは間違いなく、地域金融機関のコスト構造で対抗するには限界があります。

デジタライゼーションを駆使する異業種やネット系への参入障壁があるのは、労働集約的な支援型のビジネスモデルだけです。

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コメント

  1. 増田寿幸 より:

    異業種やネット系企業にとってある種の参入障壁があるとの多胡さんのお話、もっともです。彼らは人手をかけるのが不得意ですから。さらに言うなら、私の関心事は、「異業種やネット系企業」ではなく「普通の金融機関」にも目に見えない「別の参入障壁」があるという事実です。回収型から支援型に移行しようと頭取や理事長が考えてもそれをすぐには実行できない参入障壁があるのです。ここを集中的に考えたいと思ってます。

  2. 東北の銀行員 より:

    土曜日の会合に出席する為、本日新幹線の切符を買いました。

    当方ローカル沿線なので、往復料金をネットで調べて駅の有人窓口に行ったところ、窓口の方の提案により予定より4,000円程安くなり大変満足して帰ってきました(笑)。

    鉄道も銀行と同じく顧客本位が必要とされる事業だと思うのですが、銀行よりも顧客本位と顧客満足が一致し易いように感じます。もっと言えば「目的地に安全に安く早く到着できること」が顧客満足且つそれが顧客の真の利益(=顧客本位)であり、正にトランザクション(悪い意味ではありません)の事業領域であると改めて今回実感しました。

    では銀行はどうかと言えば、やはり顧客本位の変数が大きすぎて顧客満足=顧客本位に直結しない場合が多いです。特に支援型金融(=顧客本位だと思います)はリレバンであり、それを目指すなら橋本さんの仰る通り個々人が、とことん学び、実践を重ねて、プロフェッショナルを磨くしか道はありません。

    そして、時には顧客にとって耳の痛い話もしなければならず、怒られる覚悟も必要です(笑)。

  3. 八代恭一郎 より:

    増田会長ご指摘の支援型への参入障壁は、不良債権が多いことを恥じる点にあると思います。不良債権が多い金融機関は、金融検査マニュアルである程度画一化したはずの与信判断能力に、なお問題があると外部から思われ、過去それをこしらえた行職員が厳しい末路を迎えた記憶が、組織的に残っているからと考えます。だから、部分直接償却などで不良債権を少なめに見せようと、かつて不良債権処理に苦しんだ地域金融機関はするじゃないですか。
    しかし、現実の地域金融は田舎のマーケットや、都市部であってもトップシェアの金融機関がおいしいアセットを持っていった残りのマーケットでは、組織的に優れた与信判断能力を持っていたとしても、不良債権はある程度抱えざるを得ません。再生が成功するまで回収やオフバランス化を我慢すれば、信用コストだって高止まるはずですが、それは逃げることのできない地域へのコミットメントといえます。
    本当に与信判断応力に自信があるなら、地元での不良債権のシェアを堂々と開示すべきだと思います。しかも、貸出シェアとの対比で。
    この数字がお粗末であれば、立派な金融排除であり、支援型には将来的にもなれないでしょう。逆に立派な数字であっても開示を避け続ければ、我こそは支援型といくら主張しても、端から見れば、与信判断能力の瑕疵を疑われ続けることになるでしょう。

  4. 寺岡雅顕 より:

    【支援型への転換の隘路】
     「経験がない」「知識がない」と言う言い訳に加え「面倒くさい」という3つの「ない」が行職員側の隘路になっているように感じます。なかでも「面倒くさい」は難しい感覚です。これを解決するには、地道に小さな成功体験を積み上げるしかないかもしれません。しかし、「この指導のできる上位職が実は少ない」というのも隘路です。

     「過去不良債権を作った行職員の厳しい末路」については、少し違った感覚があります。確かに公的資金投入行では「厳しい末路」をたどった方々がいらしたのだろうと思いますが、多くの場合、不良債権化を考えることなく、今の成績を重視し、数値目標達成だけを唯一無二の目標とし。部下の尻を叩き成功した方々が、上位職を占めているケースが多いのでは・・・と考えています。

     彼等は、美しい成功体験を守るため、自らが作った不良債権に対し、回収専門部署(サービサーであったり、要注意先以下に対する取り組み部署の設置だったり)を作り、開示債権額を押さえるため回収を急がせるという行動に出ました。行きつく先は「業推無罪の文化」の完成です。結果として、支援型の業務を目指し入社した有能な職員の「意欲を奪い、”しらけ”させてしまった」と考えています。

     「業推無罪の文化」が根付いてしまうと、経営トップが本気で支援型を目指しても、役職員の行動は「面従腹背」となりがちであり、簡単には死滅しない抵抗勢力となります。

     事業性評価の重要性が叫ばれだした頃、「金融機関は数字ばかり見て、事業を見ていない」と言った趣旨のアナウンスがされました。しかし、「業推無罪が定着し、数字すら見ていない(数字すら見ることを放棄)」と言うのが実態でした。与信判断能力が無残なまで失われていることは、以前から指摘されていることです。これもまた支援型に転換する大きな隘路です。

  5. 森脇ゆき より:

    支援型を成功させるための3つの要ポジションは、理事長、頭取+人事課役職員+現場担当だと考えます。
    伝言ゲームは下に降りてくるまでになぜかカタチを変えてしまいます。私が常に考えていたことは、「どうしたら心ある人に気持ちを伝えることができるのか?必ず同志はいるはずだ。」です。
    古い考えを捨てられない人達と理念のある人達を企業のピラミッドではサンドイッチにしていただき、意見を吸い上げやすくし、伝言ゲームの修正もしやすくする。
    各金融機関で人事などの本部中核部署に携わる方々は有能な方々の集まりのはず、必ず素晴らしい働きができると思います。
    ーーーーーーー
    経営は職員に対し「右を向け」といえば右を向き、「左を向け」といえば左を向く。「回収しろ」も同じ。それが処遇待遇に関わるものなら、面白いように役職員の行動をコントロールできることをご存知のはず。しかしそれはとても屈辱的なことだと感じていました。
    回収のみならず行動には常に理由が存在します。その理由を支店職員に問うてください。同じく本部の推進者にも問うてください。経営者自身も問うてください。行動の理由は経営理念で一致する以外にないはずです。

    実は一致すれば顧客と金融機関の関係は対等になり、お客様満足ではなく顧客本位の業務運営が組織全体として可能になるのです。たった一人の力でもそれが可能であることを実感しています、組織力になったらすごいと思います。