明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお付き合いのほどをお願いいたします。
マイナス金利が恒常化し、イールドカーブが利益を生む地域金融機関のストックビジネスは崩壊しました。
有価証券ポートフォリオの含み益等のバッファーも底を尽き、地域金融機関の多くは経営理念に逆らってまでも、自己本位の短期的な利益追求に走っています。
〜「親の世代が短期的な利益を追求する企業社会で働き、それが幸せそうに見えなかったために『同じゲームはしたくない』と考える若い世代が増えた。組織に新しいあり方を求める動きも彼らには自然発生的なものだ」
大晦日の日経新聞 オピニオン欄「とがった会社が開く未来」(中山淳史コメンテーター) にあった、ティール組織の提唱者フレデリック・ラルー氏の話は、早期退職者の増加と新卒採用に苦労する地域金融機関の経営者にとってズッシリこたえるものではないでしょうか。
こう考えるとノルマ撤廃は当然の流れ。
2019年はノルマ廃止の動きが広がりましたが、まだまだ決断できない経営者も多いようです。
そういう経営者たちには、ワタシの畏友である某地域金融機関のスーパー支店長からの以下のメッセージを進呈します。御年玉です。
~長年現場にいますがノルマがあると「楽」なんですよ。理由はそのノルマだけをやれば良いからです。非常に楽で頭もほぼほぼ使いません(笑)お客さま、地域全体の事など全く考えないでしょう。あるのはノルマ(数字)だけです。ノルマ中毒者、ノルマ達成で評価されてきた支店長、役員が「ノルマを無くすと若手は何をすれば良いかわからないのではないか?」などと言ったことがあります。ぼくは大爆笑しながら「いや、支店長さん。あなた自身が何をすれば良いかわからないんじゃないんですか? 若手の方がわかってますよ」と言ってしまった事があります(笑)。全ては「お客さまのために」なんです。お客様はノルマ達成のアイテムではありません。
2020年の地域金融機関にとっての最重点項目は、2019年に引き続き、ヒューマン・アセットとリレーションシップ・キャピタルです。