まずは現場が納得する役員人事から

6月の株主総会や総代会に向けて、各地域金融機関の経営陣の中では新しい役員の選任についての議論が始まっています。

早期退職者が急増し、現場の崩壊が懸念される中、今回の役員選任、新経営陣の構築は極めて重要と考えられます。

言うまでもありませんが、ヒトは金融機関の資産の中で最も大切なものであり、ここを崩壊させた経営陣は本来責任を問われるべきです。

遺憾ながら、地域金融機関の多くの経営陣は、早期退職の問題を退職者の個の問題ととらえ、その原因が経営への不信感にあると認めようとしません。

そういう認識ですから、ヒューマンアセット崩壊で辞任するような経営陣はいないでしょうが、せめて現場が納得する役員の数を増すぐらいの人事を示してもらいたいものです。

こういう姿勢がなければ、人材流出の流れに歯止めがかかることはなく、地域金融機関の組織は維持できなくなるでしょう。

プロダクトアウトの物売りを部下に押し付けるだけの点取り虫や、部下がどんどん早期退職しても馬耳東風のマネジメント欠落の部店長は、経営陣に対しては上手に振る舞うものです。役者やの〜❗️

経営者の皆さん、こういう人間に騙されないように。さもないと早期退職はますます加速しますよ。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    早期退職は、中途採用で補充すれば、関係ないじゃないか、という安易な発想ですね。ここがスルーされると組織は、崩れ始めます。なぜ辞めるのか。極めて重要な示唆があるはずです。

  2. 東北の銀行員 より:

    多胡さんが「役者」と揶揄された通りで実際、彼らの巧みな演技に騙されている役員は存在します。
    そして、そのような部店長の下でヒューマンアセットの崩壊が始まっていることもまた事実であり、事態を真剣に受け止め早急に対処することは経営者の重要な役目です。

    例えばですが、某地域金融機関のように頭取と一般行員が「サシ飲み」(個人的にはベストプラクティスの一つです)する機会を設けてみるのも一考なのではないでしょうか。もちろん心理的安全性がしっかりと確保される工夫が必要ですが、トップが現場の生の声を聞く貴重な場になると思います。

  3. 増田寿幸 より:

    もっと単純な方策があります。中途退職率の開示を義務化するのです。レイジーさんには効果があるのではないかな。

    • 東北の銀行員 より:

      確かに、「離職率」又は「定着率」が共通KPIになったとしたら頭を抱える経営者は多いのかも知れませんね。

  4. 高見守久 より:

    早期退職者が多くなることは、現役の行職員に対して多大なストレスを与え、働く意欲も失くすことにもなります。経営トップが無能な金融機関は経営陣も無能ばかりです。救いようがありません。

  5. 田舎の銀行員 より:

    部下の評価が全てです。
    尊敬され憧れる先輩か否か。それに尽きます。

  6. 長川康一 より:

    早期退職もそうですが。懲罰することが大好きという組織もあります。
    懲罰をガバナンスと考えているのかもしれません。
    組織風土はどんどん悪くなります。
    苦情やトラブルを仕事の仕方や営業の仕方から改善を図るのでなく、担当者に責任を取らせることで幕引きを図るという。
    意外と多いんですよ。