松江から高速道路(この3月末に広島まで全線開通)で、わずか40分で、吉田(いまは雲南市)に着きました。
ここには全国で唯一残っているといわれる、伝統的な「たたら」製鉄所、菅谷高殿があります。
菅谷高殿は1751年に創業、大正10年まで稼働していました。 吉田地区には菅谷高殿をはじめとして多くのたたらがあり、出雲全体では日本の鉄の大部分を生産していたそうです。
まさに日本屈指の重工業地帯だったわけです。
菅谷高殿とそれを取り巻く集落(かつては製鉄所の従業員の住居群)には、ゆったりとした時間が流れていて、のどかなカントリー風景です。「つわものどもの夢のあと」とでも言いましょうか。
吉田の街並の一角を占める「鉄の博物館」では、貴重な映画を見せていただきました。昭和44年に、たたら製鉄を復活し、その工程をフィルムにおさめたのです。若い頃(大正時代)に、実際に関わっていた技術者たちが50年の時を経て、当時の手法を再現したのでした。
感動のドキュメンタリーでした。
超ご多用な中、ご案内いただいたTさんをはじめ、本日お世話になった吉田地区の皆さんに、心より感謝申し上げたいと思います。
宿泊は、吉田から車で30分ぐらいのところにある亀嵩温泉。
松本清張さんの名作、「砂の器」の舞台になったところです。