8月21日の日経新聞朝刊の記事、「『企業の目的』なお固まらず 、『脱・株主第一主義』から1年」からです。
この記事は、フィナンシャル・タイムズ(FT)のニューズレター「モラル・マネー」8月19日号のサマリーです。
米国のそうそうたる経営者たちによるラウンド・テーブルが、「企業の目的(Purpose)」を再定義して、行き過ぎた株主至上主義から、顧客や地域社会など全ての利害関係者(ステークホルダー)を重視する経営に変わるべき、と宣言してから1年が経過しました。
ところが、Purposeの定義すら固まっていないとのこと。
そして、Purposeの定義から実現を推進する枠組み構築の議論を横目に見ての、米最大の年金基金、カルパースのアン・シンプソン氏の言葉は痛烈です。
〜「世の中は意識の高い発言と温かい言葉、様々な会計基準であふれているけれど、1つだけ足りないものがある。それは、ガバナンス(企業統治)の枠組みだ」(同記事より)
翻って、
地域金融機関の場合、Purposeは明快です。それぞれの金融機関(協同組織金融機関のばあいには、より明確)の経営理念に掲げられている通りです。
Purposeの実現を推進する枠組みは、「組織的継続的なリレーションシップバンキング」に他なりません。
しかるに、この枠組みが機能していない地域金融機関の方が圧倒的多数。なんちゃってリレバンは日本中あふれていますが。
それどころか、コロナ禍で組織的継続的なリレバンからはさらに乖離しているように感じます。
カルパースのシンプソン氏の言葉の通り、「ガバナンスに問題あり」ということですね。