顧客本位のビジネスモデルを推し進めようとする地域銀行にインセンティブを与えることは必要だと思います。
金融庁の示す補助金、資金交付制度は法律の成立が必要となるので来春以降となるのでしょうが、日銀の「地域金融強化のための特別当座預金制度」は早くなりそうです。
自民党の金融調査会、地域金融の小委員会のやり取りを傍聴したメディア関係者によれば、「年内実施もありうる」との論調だったとのこと。
日銀の制度における特別付利の要件を見ると、
①「地域経済の持続的発展に貢献」、
②「一定の経営基盤強化の実現 or 経営統合等による経営基盤強化」、
③「不適当と認められる特段の事情がないこと」、
のすべてを満たすこととなっています。
地域金融機関が注目しているのは②です。
②に関してメディアは「経営統合」にフォーカスしていますが、当事者たちにとって現実味があるのは「一定の経営基盤強化の実現」、すなわち「OHRの改善」ですね。
当事者たちはイノセントにスルーしているのですが、ワタシは②以上に①が重要だと思っています。
この制度は自己中心のレイジーバンクを除外し、金融仲介機能発揮による顧客本位のビジネスモデルを推進している地域金融機関に対し適用されるべきものと考えますが、このことは①の条件そのものです。
レイジーバンクは①に抵触するので、いくらOHRを改善しても、合併統合しても、当座預金の特別付利は認められないのでは?