🚩日銀さん、レイジーバンクの正体をご存知ですか?

経営統合や経費削減に取り組むことを条件に、日銀に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けるとの日銀による新しい制度についての感想です。

新聞報道によれば、日銀と取引がある地銀と信用金庫が、経営基盤の強化に向けた(1)収益力の向上や経費削減を実施(2)経営統合のいずれかを満たす場合には、マイナス金利政策を実質的に一部修正するとのことです。

果たしてこれが喫緊の最重要課題、すなわち地域の中小小規模事業者の企業価値向上(リレバンの究極の目的)、さらには地域活性化、地方創生につながるものなのでしょうか。

「政府・日銀は新型コロナで打撃を受ける企業に手厚い資金繰り支援を実施し、足元では企業の倒産件数は落ち着いている。ただ新型コロナの影響が長引くなか地方を中心に経営体力の弱った銀行が融資に慎重になり、経済再生の足を引っ張る懸念も強まっている。」(本日の日経朝刊)

とありますが、弱まった地域金融機関の体力を回復させれば融資姿勢が改善するといった単純な話ではありません。

今回のコロナ対応で馬脚を現したレイジーバンクは新制度を受けて経費削減にせっせと取り組むでしょうが、融資の慎重な姿勢が変わるとは到底考えられませんね。

経営統合で融資姿勢が変わった、銀行がリスクを取るようになったという話も聞いたことがありません。

経営統合や経費削減が条件ではなく、顧客本位のビジネスモデルに取り組んでいること(組織的継続的リレバンですね)

を条件にするのなら、この新制度、諸手を挙げて賛成です。

もしくは自己中心のレイジーバンクには罰則金利を適応する(マイナス金利の幅を広げる)のも良いかもしれません。

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コメント

  1. 高見守久 より:

    多胡先生のおっしゃる通りです。日本銀行の「地域金融強化のための特別当座預金制度」については、マイナス金利政策が長期間に及んでいることにより、銀行や信用金庫の収益悪化に少なからず影響があり、日本銀行がお詫びの代わりに代替策を講じたのでは思いたくなります。心ある金融機関経営者であるならば、日本銀行の「地域金融強化のための特別当座預金制度」について、反発あって然るべきであると思われます。

  2. 祭門 礼 より:

    “経営統合や経費削減が条件ではなく、顧客本位のビジネスモデルに取り組んでいること(組織的継続的リレバンですね)
    を条件にするなら、この制度、諸手を挙げて賛成です。”
    全くその通りだと思います。特にコロナ禍の今、資金繰り支援は当然のこととして、地域金融機関に強く求められているのは、地域の中小零細企業の本業支援であり、経営改善・事業再生支援です。少子高齢化・人口減少で疲弊する地域経済を活性化させようと赤字覚悟で必死に取り組んでいる地域金融機関への後押しもどうぞお忘れなく。