9月13日、地方銀行協会の会長が記者会見で商工中金問題に触れ、「まさしく民業圧迫。これからは民間金融機関が関与する仕組みを検討すべき」と主張しました。
まさにその通りです。
私は11年前に内閣府の政府系金融機関の民営化にかかわる審議会に出席していましたが、その際も論点は「民業補完か、民業圧迫か」でした。
とくに政府系金融機関 X (私は X はすでに役割を終えたと思いました) とは、激しいつばぜり合いを行なったことを鮮明に覚えています。相当うらまれたかもしれません、苦笑。
そもそも民業補完という政府系金融機関の仕事量は民間金融機関の立ち位置で決まります。
政府系金融機関の業容は従属変数なのですが、民間金融機関の仕振りとは関係なく、X に一律のノルマ営業的なものが垣間見れたことに大いに違和感を感じ、強く反発しました。
Xの言い分には「組織防衛」以外のものを感じることができませんでしたが、彼らが自らの実績を主張する話の中で重要なポイントがあぶり出されました。
Xの好事例はことごとく民間金融機関のだらしない地域なのです。
顧客本位のリレーションシップバンキング (リレバン) には程遠い自己中心的な民間金融機関は少なくないのですが、こういう地域で X がリレバンらしきことをやっており、それを誇示していました。
民間金融機関としては情けない話ですが、その地域では私が罵倒した X の方がはるかに真っ当なことをしていたのです。
政府系金融機関の民業圧迫と言いますが、顧客本位の組織的継続的なリレバンを蔑ろにしている民間金融機関は、政府系金融機関によって自らのダメさ加減が露呈することを肝に銘じる必要があるでしょう。