〜金融庁の遠藤俊英長官は少ない収益を配当にまわす地銀に対して「次のビジネスや地域、顧客に還元する方が優先順位が高いのではないか」と話す。(2019年9月20日、日経電子版「地銀、業績悪化でも配当維持」)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO50011950Z10C19A9EE9000/
この記事から1年半、いまや地方銀行は「配当性向は50%時代」に突入した感があります。
当期純利益の半分が株主に回るという状況です。
ここまで頑張って配当しても地銀のPBR(株価純資産倍率)は低迷。
ワタシの関与している某信用金庫の出資者への配当金の当期純利益に対する比率はわずか数パーセントに過ぎないのですが、同一地域の第一地銀の配当性向は50%レベルです。
完成度の高い業界内でのシェアードサービスによる効率性、軽減税率に加えて配当までもが。協同組織金融機関のアドバンテージが目立ちます。
地銀は協同組織金融機関のように地元出資者(株主)を増そうとの試みを長年行っています。ですが、同じ配当を払うなら地域にという思いも笛吹けど踊らず。
ボリューム面もさることながら、地元といえども個人株主(とくに)は安定保有をしてくれないとの恨み節も聞こえてきます。(ほぼ半数の地銀が株主優待制度を持っていますが、さらに工夫が要ると思います)
また、数年前から地銀の非上場化の議論がありますが、地銀自身の意識変化も含め、なかなか進みません。
東京証券取引所では来年に向けて、上場基準の見直しが進められていますが、地銀の経営判断は果たして。