レイジーバンクの覚醒

1年あまり前、金融庁の金融仲介のあり方検討会議や経済産業省のローカルベンチマーク活用会議の座長を務めておられる村本孜先生(成城大学名誉教授)から、レイジーバンク (Lazy Bank) という言葉が海外でポピュラーになっていると教えてもらいました。

融資において、担保や個人保証に過度の依存、さらには信用保証協会のような保証機関に丸投げし、与信管理という期中モニタリングをサボっている金融機関のことを言うのだそうです。

どこかで聞いたような話だと思いました、笑い。

現在進行中の「商工中金在り方検討会議」でもこの言葉が出てきています。

12月11日の第三回会合でプレゼンテーションを行った森俊彦さんの資料 (中小企業庁のホームページにアップ) にもレイジーバンクの文字があります。

残念ながら、今や多くの地域金融機関はレイジーバンクに成り下がってしまっています。

商工中金自身も危機対応業務 (本来の意義を超えて拡大解釈で肥大化) という麻薬の大量投与によって重篤なレイジーバンク病に陥ったと思います。猛省に値します。

レイジーバンクが増えたことで、間違いなく日本型金融排除となっているゾーンは大きくなっています。

レイジーバンクの存在は中小企業にとってたまったものではありません。

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「あなたは、なぜそんなに一所懸命、商工中金の件に取り組んでいるのだ?」

とある人から言われました。(あなたはリハビリ中でしょうとの付言とともに、苦笑)

肩肘張って答えるほどのことではないのですが、

新生商工中金には、レイジーバンクによって大きく広がった日本型金融排除のゾーンを埋めてもらい、レイジーバンクに成り下がった民間金融機関を覚醒させてもらいたいからです。

多くの金融機関が、レイジーバンクからリレバンバンクになることで、リレバン競争が始まることこそ、中小企業にとってありがたいことではないでしょうか。

補助金をばらまくことよりもずっと。

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