昨日のブログ「岡山ダイアローグ」に、同セッションのスピーカー橋本卓典さんからコメントが入りました。ご高覧ください。
「他人事金融」から「自分事金融」へ。
数年前から金融庁がいうところの「顧客との共通価値の創造」であり、地域金融機関の人たちがよく使う言葉「WinWinの関係構築」です。
振り返りますと、2003年に金融庁のリレーションシップバンキングの機能強化による地域金融機関の生き残りを検討する委員会でプレゼンしたときに頭にあったのは、ある人から聞いた1990年代に利益ナンバーワンを奪取した都市銀行のビジネスモデルです。
「顧客の売上増加を支援することで融資の機会につなげる」
お客さまが一番喜ぶこと(売上増加)を行えば、金融機関の収益機会はついてくるのです。
それから20年近く経っても、いまだに「リレバンは儲からない」の大合唱ですが、理由は簡単。
中途半端だから、なんちゃってだから、属人的イベント的だから。結局のところ本気度がないからです。
ビジネスモデルではありません。経営の問題です。
まだまだ少数派ですが、自分事金融を粛々と組織的継続的に実行している地域金融機関の顧客サービス利益は着実に増えています。
顧客基盤の小さい過疎地の場合、預貸率が低く顧客サービス利益を黒字にすることは容易ではありませんが、焦って有価証券運用で身の丈に合わないリスクテイクだけは行わないよう、熟慮していただきたいものです。
リスクプレミアムが潰れた今、素人が高利回り運用できるような甘い環境にはありません。
コメント
「他人事金融」から「自分事金融」へという表現は素晴らし。
今後この言葉は、金融業界、特に地域金融・協同組織金融業界に浸透すると思います。
また多胡先生は経営の問題と指摘されました。
私たち経営に係る人間が、やらせる・指示するという言葉を発しますが、思い付き、その場の逃げ文句として使っている限りは機能しません。
目先の問題解決でなく、事業本来の目的をいかに果たすか、職員・社員の能力と置かれている環境といった現場感覚の理解、自組織の資力を踏まえ、やるべき価値ある行動を選択し、集中して取り組むことが今の状況では本当に重要な事です。