本日の日経新聞朝刊にコロナ対応の信用保証協会による保証付き融資額の総括記事「政府保証融資、リーマン超え」が出ています。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210609&ng=DGKKZO72712340Y1A600C2EE9000
この記事は貸し手である金融機関に焦点を当てていますが、それ以上に保証機関である信用保証協会の責務をはっきりさせる必要があります。
記事の通り、2020年度の信用保証協会の保証付き融資は35兆円に膨らみ、08年のリーマン・ショック時を大幅に上回り、地域金融機関によるコロナ対応のプロパー融資とは桁違いの残高となっています。
~20年度の保証付き融資額は前年度比3.9倍に急増した。20年5月に始まった民間金融機関経由の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が信用保証の利用を押し上げた。返済が滞っても元本の8割か全額を政府の財源を裏付けとした保証協会が肩代わりする仕組みで、利子も各都道府県が補給する。(同記事より)
保証付き融資(とくに100%保証の場合)において貸し手である多くの金融機関は融資実行で一丁上がり、本番ともいえる実行後の借り手の事業変革や経営改善/事業再生の支援を真摯に行なっているところは多くありません。
かかる支援があってこそ融資した資金は活きたカネとなり、政府や都道府県の財源負担を減らすことにつながるわけで、貸し手である金融機関がそっぽを向いているのであれば、信用保証協会が率先して行わねばならないのです。
平成30年の中小企業庁による信用補完制度の抜本的見直しで、このような支援業務が組み込まれたのですが、コロナ禍でそれが求められている中で、しっかりと対応している信用保証協会は全国51のうち3割にも満たないというのがワタシの印象です。
銀行や信金信組に対する行政当局による監督検査があるように、信用保証協会にも監督検査があります。
全国各地の経済産業局、財務局、さらには都道府県庁が監督検査を担っていますが、上記のような経営支援業務(コロナ禍で一番重要‼️)にフォーカスした監督検査は行われているのでしょうか?
昨今、銀行や信金信組に対する監督検査において行われている(はず)「対話」手法と同様のスタイルで、いま行わねばならない経営支援業務にメスを入れることが不可欠です。
待ったなしです。