毎年3月は全国の財務局が主催する「金融仲介の質の向上に向けたシンポジウム」が開催されます。このシンポジウム、かつてはリレバンシンポジウムでしたが、トータルでは10年以上の歴史があります。
昨年は東京(関東財務局)において、基調講演とパネリストを務めました。
このシンポジウムでは、企業経営者の方々のパネリストの率直なご発言が、場を盛り上げているように感じます。
昨年は、株式会社ひびきの日疋好春社長、ダイヤ精機の諏訪貴子社長 (NHKドラマの主人公のモデル) が登壇され、地域金融機関にとっては耳の痛いながらも示唆に富んだ話をしていただきました。
「金融機関からは 10%の経常利益を出せるでしょうと言われるが、8%で頑張っている意味を理解して欲しい。実際の仕入先などもみてもらいたい。ボールペン1本買うにしても、地元の企業を優先するという、地方創生を考えた利益の出し方を地元の企業はしなければならないし、金融機関もそういう見方になれば、地域を支える金融機関と地域を支える企業の関係になれるのではないかと考える。」(関東財務局のHPより)
これは日疋社長の発言です。
(株)ひびきが、地元事業者との「共通価値の創造」( creating shared value )を重視していることは明快です。
そして、日疋社長の金融機関へのメッセージは「地域金融機関もこの考え方を徹底すべきではないか」というものです。異論をはさむ余地はありません。
シンポジウムの聴衆の大宗は地域金融機関の関係者でしたが、日疋社長の発言に会場が静まり返ったことを思い出します。
さて、今年のシンポジウムでは、沖縄から声をかけていただきました。
http://ogb.go.jp/okizaimu/kouhou
/event_sympo_20180319.pdf
沖縄は景気が良いこともあり、トランザクションバンキング天国のようなところで、地元金融機関による組織的継続的なリレバンの取り組みが行われているとは思えません。
事業再生なども一番熱心なのは政府系という特殊な?地域でもあります。
病後初めての長距離移動となりますが、事務局の方々のサポートもいただき、万難を排して臨みたいと思います。