2つの地方銀行の決算発表を見て思ったこと

昨日、公的資金(金融機能強化法)を導入している2つの銀行が決算発表をしました。

決算内容はさておき、これからの施策のところで大きな差を顕在化させました。

東日本震災対応の公的資金 (経営責任も問わず、目標もない甘い制度) を導入している筑波銀行は、「法人営業強化へ担当増員 組織体制を見直し」です。

「 事業性評価の担当者を営業店、本部とも増員したほか、新たに融資の審査担当者を現場に配置した。主要顧客である中小企業などへの営業を強化し、貸出金利回りの低下などを背景とした収入面の減少を補いたい考えだ。事業性評価の強化では、茨城県内にある8つの営業ブロックごとに「事業性評価アドバイザー」を配置する。支店長級で専門性の高い管理職を選抜し、現場担当者への指導などを通じて顧客への相談業務の質を高める。本部でも事業性評価の担当者を2人増やし、営業店のサポート業務にあたる。融資の推進に向け、新たに「現場審査役」も8営業ブロックに置いた。これまで本部で審査を担当してきた管理職が、一定以上の大口案件を除き現場で対応する。迅速な融資や現場行員のコンサルティング能力向上なども図る。」(日経新聞 北関東版 5/15)

はっきり言って「陳腐」です。

数年前から、どこの地域銀行もやっていることであり、350億円もの公的資金を入れている銀行が「いまごろ、そんなことやってるの?」というのが率直な印象です。

ちなみに、すでにこのような組織変更を行なった多くの地域銀行に成果が出ているかといえば?????です。

組織を作るだけでは成果につながりません。ワタシは様々な事例を見ていますが、それとともにやるべきことがあります。

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決算発表をした公的資金導入銀行のもう一つは、みちのく銀行です。
 
「創業から事業再生まで一貫して支援するため、本部に創業支援室を設置し、新たに子会社の『みちのく債権回収(通称、みちのくサービサー)』を設立する。(中略) コンサルの強化により、創業融資実行件数500件以上、経営改善支援先数を500以上、事業承継・M&A支援件数も500件以上を目指す。」(日経新聞 東北版 5/15)

事業性評価のための体制整備はとっくに卒業し、時間をかけて組織的継続的なリレバン営業体制を確立した上で、ミドルリスク層への金融仲介や経営改善、事業再生への展開と、非常に具体的な施策となっています。

この差って、何でしょうか?

ワタシは経営者だと思っています。

金融機能強化法の審査会に出席していて、経営トップによる経営計画のプレゼンを受け、質疑応答をする中で、このことを痛感しています。


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