🚩平成型再生支援?から令和型再生支援に

秋の恒例のジンテックセミナー第一回が昨日、行われました。

今年も3回シリーズで、テーマは「両利きの地域金融」です。

恒例の秋の「ジンテックお化けセミナー」の概要が発表されました。 今年のテーマは「両利きの地域金融」、 3回にわたるセミナーには...

所用があり、最後のパートの30分ぐらいしか聴くことができなかったため、改めて録画を見れたらと思っているのですが、30分の中にもググッと引き込まれるシーンがありました。

最後の質疑応答での、事業再生のプロ中のプロ・沖縄銀行常務の伊波一也さんとファシリテーターを務めた共同通信・橋本卓典さんのやりとりです。

「貸倒引当金を積んだら一丁上がりでその後のフォローがない」という橋本さんの話に対し、「引当金を積んでからが勝負。そこからの事業再生支援が本番」との伊波さんの指摘。

橋本さんは、伊波さんの仕事の姿勢を熟知しており、それが地方銀行のスタンダードと思って取材を進めてみると「そうではない」。

セミナー終了後、聴講した増渕勝人さん(銀行、大手コンサルを経て、独立。筋金入りの事業再生専門家)が、このやりとりを解説してくれました。

「平成型再生支援は担当支店を本部直轄なんかにして、スキームで一丁上がり、取引支店に戻す、そうすると、引当積んでいるので、フォーロー無し、再生を実行した所管部は次の対象先に精一杯、連続した長期的なフォローは出来ないのが平成型の企業支援。令和型は、再生スキームに主眼が無く、本業を支援し、人材を支援し、必要なときに再生スキームを実行し、また継続して同じ担当者(支店)が支援する。」

さすが増渕さん、クリアカットです。

次回のセッション(10月14日)が楽しみです。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    沖縄銀行伊波さんは、不良債権処理時代に再生を担当し、企業、雇用、事業をなんとか継続、復活させるため、ほとんど家にも帰らず、文字通り死にものぐるいで戦い抜いた方です。引当してからの再生、ランクアップが腕の見せ所、本当の勝負の始まりでしょ、と伊波さんはお考えだと思います。

    ところが特に地方の再生支援協議会では、例えばDDSのコベナンツ管理はせいぜい3年程度で、あとは放置なのだそうです。銀行側では「だって引当済みだし、10年、15年っていわれても担当代わって自分の評価に関係ないし」という力学が働いていると。再生協議会も「計画策定だけが仕事ですので」と。DDSや資本性ローンは、どちらかと言えば「資本支援」に近いですよね。ならば、なおさら自分事になるべきところ、引当済み、担当替え、人事評価に関係ないということで、他人事金融になってしまっている。これも「時間を大切にする金融」とはとても言えないのではないでしょうか?保全と引当はとても大事です。しかし、その作用、副作用こそが遥かに重要だと思います。他人事保全&引当金融にさせないための戦略、人事評価、人材育成、これを成り立たせる業務合理化を経営は放棄してはならないと思います。