残るは地獄、出るも地獄

   今日もジャカルタです。まだこちらは26日です。

   日系企業の進出ラッシュは思いのほか凄まじく、工業団地はほとんどフル状態で、造成待ちのようです。

   現地における人材確保は非常に厳しく、いわゆる管理職のゾーンは完全に払底に近い状況とのこと。

   とくにインドネシアでは、人事担当のマネージャーは現地人でなければならないとのルールがあり、これが非常に高いハードルとなって、立ちはだかるようです。

   ご多分に漏れず、賃上げへのプレッシャーに裏付けられた労務管理の重要性が当地においてもますます高まる中、人事担当の管理職不足は大きな問題です。

   この点も含め、中小企業の当地への進出は、他地域への進出と同様に容易ならざるものと思います。

 「海外について来るように」という系列大企業も、海外オペレーションのセットアップから、その後のフォローアップまで十分に対応してくれるケースはさほど多くないようです。

   国内に残っても仕事がない以上は海外について行くしかない、という気持ちはわかりますが、国内に残るも地獄、出るも地獄です。

   私の持論でもあるのですが、海外進出の決断をする前に、いまいちど、日本に残留して事業展開していくという道は本当にないのか? という視点で熟考いただきたいと思います。

   十分に検討した結果だと言われるかもしれませんが、現地での事業を軌道にのせるためのハードルと、国内で新たな事業展開を考える場合のハードルとの高さの比較を、改めて冷静に行うべきではないでしょうか。

   「とにかく海外に出よう、出れば何とかなる」というようなスタンスでは決してうまくいきません。

 「何とかなりません」

   先般、上梓しました拙著「地域発 日本再生」においても、この点を強調していますが、現地で長くビジネスに携わっている人々と話すことで、それを裏付けられたような気がします。

   27日はバンコックに移動します。


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コメント

  1. 克己 より:

    安易な海外進出の前に、国内での事業展開に再考の余地はないのか?・・・全く同感です!