かつての職場の後輩が訪ねてきました。
私よりも若い世代なので、一緒に仕事をした経験はないのですが、邦銀の本店や海外拠点において、デリバティブや投資銀行業務の世界で、私と同じトラック・レコードをもっている人です。
いま、彼は農業法人を立ち上げて、実際に自らも農作業を行っています。
私自身、「デリバティブや投資銀行業務から、中小企業金融・地域金融への転身は、端から端への両極端だ」とよく言われますが、彼の転身ぶりには到底かなわないと思いました。
彼との話で合意を見たのは、「市場原理主義の権化みたいな仕事をしていたからこそ、農業や地域金融のような理屈だけではいかない世界の本質を理解することができる」という点です。
さて、メガバンクと地域金融機関は、同じ銀行という名前がついていても、まったくもって別業態です。市場原理主義的な理屈の世界と、そうではない世界。
メガバンクの金融と地域金融のどちらかが難しいかと言えば、間違いなく、後者の方が難しい。
理由は簡単。前者は取捨選択が可能な広い対象の中から、コストとリスクとリターンの最適値を求めるという仕事のやり方であり、行動原理は単純明快。難しい数式を使おうが、経済合理性という物差しでコントロールすることができます。
それに対して、地域金融はそうはいきません。メガバンクと同じ物差しで仕事をすれば、間違いなく顧客基盤は崩壊し、結果として金融機関自体も顧客基盤崩壊で立ち行かなくなります。共倒れですね。
私の地域金融の師匠(某地方銀行のもと頭取さん)は「中小企業金融、地域金融は経済学では経営できない。社会科学の分野だ。」とかつて言われましたが、そのことを最近、痛感します。
市場原理を物差しとするビジネスは底が浅く、面白みに欠けますね。
それに比べると中小企業金融・地域金融は派手さはありませんが、実に深い。
私はこちらのほうが好きです。
コメント
それにしても、あちこち、あちこちに、出没なさってますよね。ちなみに、以前先生と同じ職場のK姉さんは、瓶詰め食品のお店を市谷にオープンしました。とっても綺麗なお店をでした。やっぱり最後は食べる物が、一番面白いのかもしれませんね。コメントのラベルが低くてすみません。
門外漢ですが、メガバンクと地域金融機関との対比、、、なーるほどです。
加えて、師匠の「社会科学・・・」も至言ですね。
ところで、市谷とは聞き捨てなりません。
検索してみましたが見つかりません。
おばんです さん、何てとこですか。
若いモンを見に行かせます。
今回の内容も大変勉強になりましたし、農業生産法人の方のご紹介も有難かったです。多胡先生、今後地方自治についてもご指導ください。
外苑東通沿いで、大江戸線牛込柳町駅徒歩5分、グランママというお店です。とっても美味しい物ばかりです。(始めたばかりでまだ、種類は少ないですが。) 薬王寺70-9で、まだホームページは作っていないかもしれません。あと年内は、木、金、土曜が休業になることが多いそうです。
おばんですさん
ARCadiaさんのところの若いもんは人畜無害な奴らばかりだと思いますので、ご心配なく。
おばんですさんの地元には来週後半に突撃する予定ですわ!
おばんですさん、早速ありがとうございます。
あの辺りはよくウロツキました。
海鮮の美味な魚政(地図で見ると至近)にもよく行きましたよ。
しかし、食い物、しかも海鮮とくれば旅芸人さんですよ。教えられた店で外れはありません。
流石一流A高校! 人畜無害!
お店の隣は魚屋さんがやっている食堂だそうです。
多胡先生は、食通なので、頼りにしてます。
おはんですさん
そう、それです。魚屋の奥が食堂?になってます。
そこもかなり、美味しいらしいです。かなり分かりにくい所にあるのに、よくご存じですね。
多胡先生、美人で有名私の田舎は、まだかなり暑いらしいです。来週は、少し涼しくなっているといいですね。
おはんですさん
そ、それはどこですか、瓶詰もいいけど、暑くてもそちらがいいです。
旅芸人氏は、美味は得意ですが、美人は…
お供して行った所で美人は見つかりませんでした。
ARCadiaさん、おばんですさん、
かなり盛り上がったコメントの応酬、ありがとうございます。
おばんですさんの地元は東北のA県A市ですが、
A県に入ると、編み笠をかぶった美しい女性がアップになったポスターがたくさん貼ってあります。
「Aびじん」と書いてあるのですが、よく見ると、「びじん」の「じ」と「ん」の間に、小さく「よ」という文字が入っているんですわ。「よ」を入れて読み直してください。
ARCadiaさん、おばんですさん
Aびじょんのポスターの写真は昭和28年に撮影されたもので当時10代の仙北地区に住んでいた女性だそうですね。その後、米国に渡り結婚。2010年に亡くなられたそうです。
A県に出張するおっさんたちで、「あのポスターの女の子を紹介しろ」、などという不埒なのが出没しているやに聞いています。もちろん、不埒な輩は私ではありません。