このブログを読んでくださったある方から、「いつも、いろんなところをうろついているが、どうやって生計を立てているのか?」といったご質問を投げかけられたことがあります。
親しい友人からも、「ブログを読んでいる限り、カスミを食って生きているヒトとしか思えない!」と言われたこともあります。
一応、各地域では仕事らしきことをしています。
格好良い表現を使えば、
「地域の活性化につながること、地域の中小企業が元気になることにお手伝いできるのであれば、原則、なんでもお受けしてます。」
さて、
昨日、金曜日は東京にいましたが、霞が関の某官庁が主催する委員会に出ていました。
そもそも、中小企業がお金を借りるときには、経営者の自宅などの不動産があれば、それを担保にして、経営者自身(もしくは親族)が個人保証をするのが、従来からの基本形です。
ここ10年ぐらいの流れのなかで、不動産のみならず、在庫や動産も担保にできるような法的整備もなされました。
在庫や動産を担保に取るか否かは、それぞれの借り手と貸し手の関係次第なのですが、少なくとも動産や在庫の状況などをよく理解することで、借り手の事業実態を正しく把握して、適正な規模のお金を、適切なタイミングで貸すという行動は、まさに金貸しの原理原則です。
貸し渋りは許されないことですが、中小企業を借金漬けにする(これが結構多いのです)ような金融機関の行動も許されません。 まさに「貸すも親切、貸さぬも親切」です。
この原則が、昨今おろそかになっていたことは否定できず、事業実態に踏み込まず、不動産担保や経営者保証の有無だけで、お金を貸すような情けない金融機関が増えています。
ここにメスを入れることが中小企業、さらには地域の活性化のための第一歩だと思います。借り手の事業実態を正しく把握することの徹底こそが、過度な担保や保証に依存しない融資の基本となります。
中小企業の実態を見るうえで、目に見える動産や在庫に注目することは言うまでもないのですが、見えない企業価値を可視化する必要があります。
流行っているラーメン屋さんと閑古鳥が鳴いているラーメン屋さんの違いは何か?
不動産とか動産・在庫だけではなく、「調理法、味、ブランド価値、接遇など」いろいろありますよね。
これらの点は、本来、中小企業(この例ではラーメン屋さん)に金を貸す際のキモになるはずですが、結果として現れる売上や利益でしか、金融機関は判断しない傾向があります。
このような、いわば知的資産(知財)を、どうすれば金融機関(借り手自身も同様に)に注目させることができるかを、議論する委員会でした。
せっかく、委員に選んでいただいたので、気合を入れて、議論に参加していこうと思います。
コメント
見えない企業価値の可視化と「貸すも親切、貸さぬも親切」、極めて重要な視点です!
委員会の存在そのものが、まさに知財として高い評価を得られるような議論の展開を期待しております!
克己さま
このことを実践しておられる数少ない金融機関経営者のお言葉を真摯に受け止めたいと思います。
ありがとうございます。