弁当忘れても、傘は忘れるな

快晴の羽田空港を飛び立ち、1時間半で、降り立ったのは、薄暗く曇天の米子空港。まだ3時半過ぎなのに。

それから夕刻にかけて、シトシト雨の中、カミナリは鳴るし。

典型的な山陰の冬です。

山陰では「弁当を忘れても、傘は忘れるな」と言います。

さて、

イギリスの冬の天気は、山陰のそれとよく似ていると思います。イギリス人たちは、冬になると長い休みを取り、太陽の光を求めて、赤道に向けて南下します。地中海のマジョルカ諸島、西アフリカの沖合にあるカナリー諸島、さらにはカリブ海の方にも行っていました。

彼らによれば、「太陽の光を浴びないと病気になる」

そのような職場のイギリス人の同僚たちに、次のようなことを言ったことがあります。

「イギリスの冬の気候は自分の故郷・島根県のそれと酷似している。しかるに、そこに住む人が冬になると太陽の光を求めて、長期休暇を取るなどという話は聞いたことがない。日本は言うまでもないが長寿国。その日本の中でも島根県はトップクラスの長寿を誇っている。」

こんなことを言っても、イギリス人の同僚達には馬の耳に念仏状態でしたが。

下手くそな英語で通じなかったのかもしれません。

イギリスの隣国のアイルランド出身であるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の最初の任地は、松江市でした。松江におけるハーンの業績は目覚しいものがあるのですが、この地にいた期間は1年あまりだったそうです。旧制第五高等学校がある熊本に転勤しました。

松江があまりにも寒かったからだと言われていますが、冬の太陽がない生活が厳しかったのかもしれませんね。


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