薩摩焼の故郷

昨日、いちき串木野から鹿児島空港に向かう途次、時間があったので、美山地区(苗代川)に立ち寄りました。

慶長の役の折に、島津義弘が朝鮮より連れてきた人たちが居住し、薩摩焼の窯を始めた地域です。

加世田、串木野と同道いただいた”「司馬漬け」Yさん”の要望もあり、中心的な窯である沈壽官窯(ちんじゅかん)を訪れました。

いままで何度か来ているのですが、今回は沈家伝世品収蔵庫を初めて見ることができました。

この収蔵庫は、数年前にリニューアルされ、400年以前の作品などが展示されていました。薩摩焼の歴史も一目瞭然です。

唐磁器に造詣の深い、ねやがわの教授と訪れたのは8年ほど前でしたので、その時は収蔵庫は整備されておらず、是非とも教授にも声をかけねばと思った次第。

さて、

沈壽官窯の庭には、司馬遼太郎さんの小説「故郷忘じがたく候」の石碑があります。

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この小説では慶長の役の折に、朝鮮から連れてこられた人たちが、故郷を思いつつ、この地で粛々と薩摩焼を興していく姿が描かれています。

戦国もの、幕末もの、日露戦争もののような派手なシーンが展開するわけではないのですが、非常に好きな作品です。

ここ美山地区を歩いていると、物語の情景が浮かび上がってきます。

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