30年以上も前の話ですが、ロンドンで仕事をしていて、イギリス人のプリンシプルを大切にし、ルールのお仕着せを嫌う姿勢にしばしば遭遇しました。
それに対し、何よりもルールありきで自ら進んでルールの奴隷になってしまうのが、日本の地域金融機関です。金融検査マニュアル (もともとは資産査定の物差し) というルールに盲従し、中小企業融資の本質というプリンシプルを歪めてしまったことが、それを物語っています。
彼らの一番苦手なのがプリンシプルベースだと思います。
昨日、ジグゾーパズルの全体像を見て考える前にジグゾーパズルのパーツにこだわる地域金融業界 (のみならず行政の現場やマスメディアも) の「習性」として書いた通りです。
プリンシプルベースが不得手ということは、プリンシプルを実際の経営戦略へと落としこむ上での想像力、思考力、分析力、判断力、リーダーシップなどが脆弱なことに他なりません。
ルールベース好きには、言われたことをやりさえすれば良いという無責任さを感じます。
かつて、口の悪い先輩がよく言っていました。
「地域銀行のトップは3つのフレーズを言っていればつとまる。① 先例はあるか、② 他の金融機関はやっているか、③ 大丈夫か?」
いまもあまり変わっていません。
ルールベースの象徴とも言える金融検査マニュアルは廃止になるようですが。
コメント
この欄のせいで、金融検査マニュアルとか金融庁とかの語に出っくわすとピピッと反応するようになってしまったアッシですが、
先日読んだ都銀下位行社長のインタビュー記事での社長の言がまるで金融庁(の指向)のオウム返しのように見えまして。
あれは体裁ですかねえ、本心ですかねえ・・・って、まあ答えにくいわなァ、ガハハ
あの銀行には、、、某メガバンクのピント外れのサービスに呆れて、アッシの資金の”ホンの一部”1000万円を移したんだがなあ。
都銀下位銀行は鉄道会社の副社長さん(故人)が根本的な立て直しを行なって、サービス業らしくなりました。
それでアルカディアさんのような富裕層(笑い)のお眼鏡にかなったわけですな。
しかしペイオフを睨んで10百万円とはさすがです。