国宝への忖度は?

月刊誌「選択」の最新号で島根銀行 (本店松江市) のことが取り上げられていました。

地域銀行105行の中で、コア業務純益(銀行の本来の収益力)が唯一マイナスになるような厳しい業況にもかかわらず、58億円の大枚を払って本店ビルを建てたとのこと。

地域銀行が厳冬時代に入っている中で、昨今、全国各地で本店ビルの新築の話が耳に入ってきます。本店ビルが老朽化で建て替えの時期が到来しており、万全の耐震対策のために新本店は必要不可欠なのですが、華美で身の丈以上の造りのものも少なくありません。

地域顧客からは、

「中小企業が利益を生まない本社ビルの新築や高級外車の購入をするようになったら問題ありと厳しいことを言ってくるわりに、銀行は豪勢な本店を建てる」

と揶揄する声が多いのも事実です。

雑誌「選択」によれば、島根銀行の新本店は高さ66メートルで、同地域ナンバーワン山陰合同銀行の本店ビルの75メートルに及ばないものの堂々たる地域屈指の高い建物なのだそうです。

「選択」では島根銀行が盟主(山陰合同銀行)の心情を忖度して、盟主の本店ビルよりも若干小ぶりにしたと書かれています。

松江市といえば数年前に天守閣が国宝に認定された松江城。松江城は亀田山(海抜30メートル)という小高い丘にあり、天守閣の高さは約30メートルとのことですので、合わせるとおよそ60メートル。島根銀行の本店には届きません。

島根銀行は山陰の観光の目玉・国宝松江城には忖度しなかったのでしょうか。

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