昨日の続きです。
どの地域金融機関においても、「プロダクトアウトを脱し、カスタマーインのリレバンにモデルチェンジすべき」との問題意識を持つ現場の人間は少なくありません。顧客との信頼関係が深い人ほどその思いは強いものと思います。
多くの金融機関を見ていますが、こういう人たちのボトムアップによって組織的継続的なリレバンが構築されることはありません。
「そうせい!」と下にすべてを任せる、幕末長州藩の毛利敬親のようなトップは現代の地域金融機関にはいませんし、いたら大変です。
組織的継続的なリレバンはトップダウンによるものです。
ステップ①: 経営トップが腹をくくって決断する
ステップ②: 経営陣での意思統一
ステップ③: 現場への浸透
というプロセスしかありません。
ただ、
ステップ①と②をクリアしても、ステップ③で苦労している地域金融機関は思いのほか多いようです。
トップが大号令を発しても、それだけでは全体のベクトルが同一方向には向かいません。
「支店長会議で示達した」(トップの口からよく出るセリフです) としても、プロダクトアウト病の重症患者の支店長のところではメッセージは遮断され、現場の最前線には届きません。
経営から現場に直接アプローチし、現場の人間の腹に落ちるまで、繰り返し繰り返し対話を続ける必要があるでしょう。
リレバンのプリンシプルを伝え、現場に「お客様のために何をすべきか」と考える癖をつけさせねばなりません。
さらには、やったフリの仮面リレバンでごまかせるような甘さのある業績評価や人事考課にメスを入れる必要もあります。
いずれにしても、かなりの時間を要するわけで、覚悟を決めてやるしかありません。
ちなみに、ステップ③は、私のコンサルタントの仕事で一番難易度の高いところでもあります。
コメント
10年20年たって裁量権を持った時に、過去の人事考課に影響されず、自分でなすべきことを判断できる若手を何人育てることが出来るかで、2050年の生き残りが決まるという思いで、母体行では人材育成に取り組んでいました。
人事評価制度を変えていくことは重要なテーマです。一方考課する側は、過去の考課制度で成功した者たちです。
自分の成功体験は美しいということが変革の隘路の一つであると考えています。
寺岡さま、
まったくおっしゃる通りだと思います。
美しい成功体験に溺れている経営陣を総取っ替えしない限り、難しいですね。