11月26日の日本経済新聞 第一面に「地銀 店舗貸しの規制が緩和される」との記事がありました。
実を言うと、2015年6月16日の金融審議会「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキンググループ」において、ゲストスピーカーとしてプレゼンテーションを行い、地域金融機関に対する3つの規制緩和を求めた経緯があります。
そのうちの一つが「地域金融機関の店舗貸し」でした。
ただ、私としては、3つのうち、「株式保有制限(いわゆる 5%ルール) の緩和」に比重を置いていました。
産業支配にならぬようにとの観点から、銀行は株式保有に関し、厳しいルールが課されています。
ところが、業況の厳しい地元企業の “興廃” を地域外 (含む海外) 資本に丸投げするのではなく、地元銀行が当該企業の株式 (5%以上の) を一時的に保有して事業再生を行うべきケースは、当然ながら存在すると思います。
それによって地元ホテル旅館の雇用や商流が守られたり、中小企業の保有する貴重な技術や特許が海外に流出するのを防御することもできるのです。
こういうロジックにより、2012年に地方銀行業界は株式保有に関する規制緩和の要望を行なったのですが、何故か押し返された経緯があります。
地域金融機関による地域中小企業の事業再生は、地方創生の一丁目一番地です。
どうしても銀行の産業支配への懸念があるのならば、行政サイドは監督検査などで、(事業再生という) 目的通りの株式保有(5%以上) なのかどうかを確認すれば良いと思うのですが。