リレバン社長、トラバン社長

顧客本位の金融機関と自己中心の金融機関との二極化に拍車がかかっています。

後者は典型的なレイジーバンクですが、こういう金融機関しか存在しない地域 (こういうところは少なくない) の事業者はたまったものではありません。

躊躇することなく、顧客本位の金融機関が所在する地域への“本社移転”をオススメします。

顧客本位の金融機関の見分け方についてのご照会を受けることがあるのですが、森俊彦さん (日本動産鑑定会長、もと日銀) の挙げる、下記のチェックポイントを伝えています。

森さんは中小企業経営者の金融リテラシーアップのために全国を飛び歩いておられますが、森さんのチェックポイントは以下の通りです。

◎ 顧客本位の金融機関を“選択”するためのチェックポイント

1 ) 取引先企業の本質的な成長に繋がる取引 (=事業性評価に基づく融資や本業支援) をしているか?

2 ) 正常運転資金見合いの短期継続融資 (=中小企業のライフラインである専用当座貸越) をしているか?

3 ) 経営者保証ガイドラインを活用しているか?

4 ) 信用保証制度のフリーライダーになっていないか?

5 ) 金融機関としてあるまじき影響力行使を取引先企業に行っていないか?

これらのポイントは、12月11日の商工中金の在り方検討会議における森さんのプレゼンテーションの中で提示されました。(プレゼンの資料は中小企業庁のホームページにアップされています)

森さんによれば、これらのチェックポイントの本質をきちんと理解して金融機関と付き合うのは「リレバン社長」、借入金利の低さだけにしか興味がないのは「トラバン社長」(トラバンはトランザクションバンキングの略) なのだそうです。

トランザクションバンキングの究極は AI や RPA の世界です。

いずれは、労働集約型で高コスト体質の地域金融機関の手に負えないものとなるでしょう。

金融機関としては付き合い方にメリハリを効かす必要があります。

トラバン社長の会社には事業性評価も不要かもしれません。

トラバン社長は、業況が悪くなった時には金融機関が手を差し伸べてくれませんから、自力で復活できることが必須となりますが、彼らに果たしてその自覚はあるのでしょうか?

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