3月25日、千葉銀行と武蔵野銀行のアライアンス (CMA) がスタートして2年になります。
新聞報道によれば、当初5年で100億円の収益面での提携効果という目標が2年で目処がたったとのことです。
資本統合による持株会社形態をとった他の地銀グループと比べるとスピード感をもった目に見える効果が出ています、拍手‼️。
相対での包括業務提携、それも同じ経営環境 (東京に隣接) であるところがポイントで、スピードを求められる現代には最も賢明な選択だと思います。
異文化のぶつかり合いの調整のために、時間の浪費と徒労ともいえるエネルギーの垂れ流しを容認する、資本統合や合併とは似て非なるものであり、大いに評価されるべき経営スタンスです。
2年前にこの包括業務提携が発表されたとき、たまたま金融庁内にいたのですが、資本統合・合併と比べると話題性が高くなかったこと (「そんな案件、あったっけ?)」を覚えています。
メディアの反応も冷やか👇で、「資本統合・合併ではなく中途半端。業務提携は陳腐。」、業務提携の証し(規律づけ)である株式持合いを「時代に逆行」と決めつける酷評報道が続いたのには愕然としました。
〜 これまでの地方銀行の連携は、経営統合・合併による再編や、ビジネスマッチングなど個別業務の提携が多かった。今回は資本関係をやや深めつつ個別業務での協力を広げていくのがユニークな点だ。お互いの営業地盤に新規出店しないことも明らかにしており、「事実上の相互不可侵条約」(関東の地銀幹部)との見方もある。資本関係の緊密化は、経済界で進む株式の持ち合い削減の流れに逆行しているという批判もでかねない。「提携効果が出なければ単なる持ち合い強化にすぎないと語る投資家も多い」という指摘もある。(日本経済新聞 2016年3月26日)
納得がいかないので反論を出したことを思い出します。
〜「『資本統合』をしない業務提携は、地域金融機関の本分である地元顧客のことを考えればベストな選択」。地銀経営に詳しく、金融庁の有識者会議にも加わる多胡秀人氏も評価する1人だ。発表直後まとめたリポート✳︎では「経営統合や合併をうたっている地銀グループが掲げている施策は、業務提携と共同化ですべてできる」と断じた。(日経ヴェリタス2016年4月3日)
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2年前に「相互不可侵条約」と切り捨てた関東の地銀幹部や「持合い強化」と評した投資家の意見を改めて聞いてみたいですね。
千葉銀行-武蔵野銀行のアライアンスには、地銀提携のトップランナーとして、引き続き注目していきたいと思います。
✳︎この「レポート」は本日、ブログにアップします。ご興味ある方はどうぞ。