社外取締役で一番難しい仕事

地域金融機関の決算発表が近づいてきました。

月が変わると決算数値とともに新任役員の候補者が発表されます。

社外取締役をやっていて一番難しいのが、役員選任への関与の仕方です。

新任役員を選ぶのは、通常は経営トップ (プラス代表取締役?) なのですが、昨今のコーポレートガバナンスコードの議論の中で、その“選任プロセスが不透明”という論点が、サクセッションプランとともに、浮き彫りになってきています。

社外取締役の年季が入ってくると、役員候補となりそうな人とはそれなりに接点がありますが、その程度の情報で、「その人が役員として適格かどうか」を判断することは困難だと思っています。

結局のところ経営陣からの案を丸呑みするしかなく、新任役員候補を決める議決権を持つ社外役員として、いつも悩ましく思っています。

取締役会などにおいて、経営トップを含め現役員からの候補者への評価 (上からの評価) を聞くことは可能ですが、当該候補者の横からの評価、下からの評価はまったく分かりません。

いわゆる360度評価です。

これを役員選任プロセスで導入している地域金融機関は聞いたことがありませんが、検討すべき段階にきているのではないでしょうか。

ちなみに金融庁は人事コンサルティング会社による幹部職員の下から評価を行なったことがあるようです。

ダイバーシティといい、行政の方が先を行っていますね。


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