指名委員会があるのに青天の霹靂

「◯月に頭取から呼ばれて後をやれと言われた。私で良いのかと思った。青天の霹靂だった。」

新頭取の発表の際におけるメディアインタビューでよく聞く話です。

これらの銀行には、指名委員会があり、然るべきプロセスを踏んで、トップが選ばれていると思うのですが、このような「突然指名を受けた」がごとき発言 (あえてそういう言い方をしているのかもしれませんが) を聞くと、

指名委員会で何をやっているのか、指名委員会は形式だけで、ステークホルダー等へのアリバイ工作にすぎないのではないかと疑ってしまいます。

その指名委員会ですが、

上場地域銀行の中で、「指名委員会等設置会社」の形態をとるところは数行に過ぎないものの、「監査等委員会設置会社」(最近急増しています) や「監査役会設置会社」であっても、いまや指名・報酬に関する“任意”の委員会が設置されているのが大多数となっています。

そのためか、地域金融機関の経営陣からは、指名報酬委員会を設置しなければガバナンスに後ろ向きと株式市場から評価されかねず、「バスに乗り遅れてはならないので、とにかく形を作らねば」という本音も漏れてきます。

形よりも中身だと思うのですが、、、

実際、一番遅れた組織形態と見なされている「監査役会設置会社」でありながら、最先端の「指名委員会等設置会社」である某地方銀行 (2007年に移行、合併で話題になっていますね) よりも、はるかに透明性の高いサクセッションの仕組みを持っている地方銀行はあります。

まさに箱物よりも本質です。

形式だけ整えてお茶を濁すことから脱することのできない地域金融機関のコーポレートガバナンスが、ここにも露呈しています。

改革は道遠しです。


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