監査部門は機能していたのか?

かぼちゃの馬車がぶっ壊れて、スルガ銀行の世間の評価は、天国から地獄に落ちている感があります。

以前から「スルガ銀行をどう思いますか?」という質問をよく受けた (いまも受ける) のですが、

シングルマザー向け住宅ローンなどに最初に取り組んだ「先進性」と、住宅ローンに特化する「尖ったビジネスモデル」(住専と揶揄する声もあったが) は、「横並び症候群」の地域金融機関の中では際立っているし、(一部の報道にもあった)基幹システムのクラウド化への検討など、人口減少やマイナス金利に怨嗟の声を上げるだけで竦んだままの多くの地域金融機関よりもはるかに高評価に値するものではないでしょうか。

もちろんワタシが長年主張している組織的継続的なリレバンとは対極にあり、「持続可能なビジネスモデルとなりうるか」という視点では意見を異にします。

スルガ銀行のビジネスモデルはプロダクトアウトのトラバンである以上、思い切ったコストダウンと際限のないボリューム追求が宿命と言わざるを得ず、ボリューム追求に躍起となる現場の暴走を防ぐ意味でも監査機能が非常に重要となります。

地域金融機関においても、監査部門 (かつては検査) の役割が大きく変わっています。

執行という表からだけではなく、監査部門が後ろから全体を見て取締役会に直結する仕組みが有効に機能している金融機関では、現場が活性化し、組織の風通しもよくなっていますし、不祥事や事故も未然に防止できる形になっています。

監査部門が上がりの部署ではなく、キャリアパスに組み込まれている金融機関は多くの場合、業績も好調です。

かつての検査部の位置づけから変わらない地域金融機関との差は歴然なのです。

ワタシは今も昔も付き合いがない (リレバン一辺倒の人間は遠い存在?) ので、まったく存じ上げないのですが、スルガ銀行の監査体制はどうだったのでしょうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする