本日の日本経済新聞、英国のコーポレートガバナンスコードの改訂案の記事を興味深く読みました。
記事の文中では触れられていませんでしたが、表の中にあった、
「長期の企業価値向上につながる 企業文化 = corporate culture の策定・促進を取締役会に要求」
に注目しました。
思い起こせば、2年前に金融庁でベンチマークの議論を行った際に、「金融仲介」、「フィデューシャリーデューティ」、「リスク管理」などの個別ベンチマークの土台にあるものとして「企業文化」があるという論点が出てきました。
地域金融機関は、1990年代以降、不良債権問題、金融検査マニュアル導入の流れの中で、ルールベース症候群が蔓延し、創意工夫のカルチャーが押し潰されて、金太郎飴のイエスマン集団による、(ワタシに言わせれば) 面白味のない「企業文化」が定着した感があります。
そのような「企業文化」のもとでは、取締役会は形骸化し、トップのサクセッションプログラムなど存在せず、トップの言いなりの社外役員しか生まれません。
新事務年度になり、金融庁の「金融仲介の改善に向けての検討会議」が、いよいよ始まりますが、地域金融機関の「企業文化」についての議論を行いたいものです。
コメント
「やらせる」を口癖にしている経営者のいる企業に文化は育ちません。
また「やらせる」という割には、自分たちがやらせようとする仕事・事業・企画の中身の詰めが甘く(もしくは表面的物まね故に)、期待する成果が出ない。
そしてその原因は部下の能力・行動力の性とします。
地域金融機関が取り組むべき最重要課題は「企業文化の変革と人づくり」です。
金融モニタリング基本方針だったと思いますが、そこで示された顕彰事例を良く読めば明らかだと思います。
しかし、随分時間が経過しましたが、依然としてアリバイ作りの域を出ていない地域金融機関が多いように思います。