時代錯誤の経営者への尋問の次第これあり

数年前、某大手信用金庫が「銀行への転換を考えている」との噂がまことしやかに流れました。

いまも合併信用金庫の中には、銀行になることが最終ゴールだと思っている経営者もいるようです。

経営者の質が問われる話です。

信用金庫や信用組合はバックヤードの集中化が進んでおり、シェアードサービスの完成形に近いものとなっています。したがって、すでに地域銀行以上の効率性、スケールメリットがあるのです。

信用金庫から地域銀行になるということは、このスケールメリットを捨てることであり、かつ軽減税率を放棄することとなるのです。

銀行になったからといって、自動的に高度な金融サービスが提供できるわけではありません。すべて自前で準備しなければならないのです。

広域化することで、お客さんとの関係も稀薄化します。

そもそも地域銀行よりもはるかに存在感のある信用金庫や信用組合はたくさんあります。

かつて普銀転換した信用金庫の幹部は「銀行になったことで新卒採用がやりやすくなった」と言いましたが、いまや銀行は採用で非常に苦労する業種に成り下がっています。

その一方で地域密着型金融で顧客の支持を受けている協同組織金融機関には、就活学生が列をなしています。

これでも銀行を目指すのですか ?

合併後に銀行への夢を持っている時代錯誤の経営者に答えを聞いてみたいものです。

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