お節介ながら、合併費用は大丈夫?

昨年、経営統合し三十三フィナンシャルグループとなっている、傘下の三重銀行 (本店 四日市市) と第三銀行 (本店 松阪市) とが2021年5月1日に合併することになりました。

第三銀行は、2009年9月に金融機能強化法の公的資金 ( 300億円、15年間、金利はTibor プラス1%) により資本増強をしています。

金融機能強化法は「金融機能の強化を通じて地域における経済の活性化が図られるよう、金融機関に対して国が資本参加」するものです。

資本増強した銀行は、業況が厳しくとも地域にとってなくてはならない事業者の経営改善、事業再生に真摯に取り組むなど、地域金融の円滑化に努めねばなりません。

ワタシは金融庁において、“公的資金が法律の趣旨に合致した運用がなされているか”、そして“最終的に返済されるか” (第三銀行の場合、期限は2024年) を審査しています。

さて、

1月30日の日本経済新聞 (中部版) によれば、

〜「200億円超まで返済原資を積み上げている」(岩間会長)という。合併後は積み上げのペースを上げる考え。

ムムム、

システムの異なる銀行の合併となると100億円単位の合併費用がかかることは、他地域での地域銀行合併での経験値としてあります。収益環境の厳しい昨今、この合併コストは相当重いものです。

2024年の公的資金の返済までに、この追加費用を吸収した上で、金融機能強化法の趣旨を踏まえた顧客本位のビジネスをいかに進めていくのか。

ここが経営の腕の見せ所です。

言うまでもありませんが、公的資金は国民の税金です。

ワタシ自身の任務 (金融機能強化法の審査委員) に直接かかわるものでもあり、しっかりと確認していこうと思います。

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