「近頃の若いものは、、、」

地域金融機関の若手職員の早期退職の流れは止まりません。

退職者が急増し、店舗運営に支障をきたす金融機関も出てきています。

それを逆手にとって店舗の統廃合を進める金融機関もあるとか。経営の厚顔無恥ぶりに呆れ果てます。

「近頃の若い奴は我慢が足りない、根性がない」

経営陣からは未だにこのような声が聞こえてきます。

自分たちの経営能力に対する“ダメ出し”、“失望”だということを認めたくないのでしょうね。

たしかに若い職員の中には、我慢強くなく、根性がない人たちもいるかもしれませんが、地域金融機関に職を求める人たちには、

“地域のために力になりたい、地元中小小規模企業を助けたい”

という情熱が欠落しているとは思いません。

実際に顧客本位の地域密着型金融に真摯に取り組んでいる金融機関 (今や多くはありませんが) の新卒募集や中途採用枠に多くの応募者があることが、その証しです。

地域金融機関の持続と成長、将来も健全性を維持し続けるために、まずはヒューマンアセットの再構築から始めなければなりません。

手始めに経営陣が襟を正すこと。そして経営理念に合致した顧客本位の業務運営に向けて、ビジネスモデルやそのためのインフラ (業績評価、人事制度、ワークライフバランスなど) の根本的な見直しを行うこと。微調整で乗り切れる状況ではありません。

これがヒューマンアセット再構築の処方箋です。

空手形はいけません。下の人間はよく見ていますよ。

 

 


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    ある地銀を辞め、地元市役所に転職した30代の方とお話しました。

    ―なぜ辞めたのか。

    「地域のためにと思って地元の銀行に就職しました。しかし、それは組織が許しませんでした。『地域のため』を実現するために、『健全性のため』が優先され、いつしか『目先の収益を稼ぐため』に変質し、肝心の本来目的「地域のため」がどこかへ忘れ去られるのです。これでは笑顔で残りの仕事人生を過ごせないと妻と話し合い、辞めました」

    ―組織内はどういう雰囲気か

    「40代以下は、大半が『我々は変わらなければ生き残れない』と分かっています。しかし、口に出せない上の存在と雰囲気があります。鬱屈です。」

    ―他の銀行員は辞めているのか

    「若い人ほど多く辞めています。早々と辞めて、地域のためになる別の仕事を選ぶ人もいます。中堅はまだ我慢していますが。それは年収の高さです。しかし、年収がこれから間違いなく下がります。『下がったら、銀行に残る意味はまったくない』と話しており、多くの銀行員が辞めるでしょう」