🚩成長戦略が見えない

「厳しい先には引当金を十分に積んでおり、何か起こっても備えはできている。我々が対象とする貸出市場は金利競争が激しくこれ以上の収益は期待しづらいので、これからはコンサルなど業務の多角化だ。」

自己資本が厚く、健全性でゆるぎない評価を得ている某トップ地銀の幹部から、かつて聞いた話です。

そもそも信用リスクの大きい事業者への融資には手を出さない。貸出先の経営改善や事業再生のノウハウも乏しく、ここに対応できる人材はほとんどいません。だから引当て積んでオシマイ。あとは回収モードに。

融資姿勢は金融検査マニュアル時代のまま。

労力がかかるが実はそれなりに収益が見込める、いわゆるミドルリスク層には一切向き合わず、過当競争となっているレッドオーシャンにおける融資一辺倒ですから、ボリュームを増やしても金利収入はぜんぜん増えません。

顧客との共通価値なんて、カタチだけ。

立派な東証プライム銘柄であるこの銀行の「成長戦略」を知りたいものです。

コンサルティング、事業承継支援など顧客の経営課題の解決業務が成長戦略なんでしょうか。

ただ、この銀行が相手にする地域中核企業クラスだと、これらを本業とする他業態やメガバンクが競争相手になります。歯が立つレベルに至るまでは相当の時間を要します。

貸し手の優越的地位をちらつかせられる先にコンサル等のパッケージを押しつけるのがオチでしょう。これって本来は禁じ手ですけどね。

最近は株式市場もよく見ています。

PBRは芳しくありません。

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