リレバンの究極の姿は、地域の中小小規模企業に対する経営改善/事業再生の支援であることは間違いありません。
厳しい状況に陥った中小小規模企業を「ゾンビ企業だ、廃業を促進すべき」という意見もありますが、与するつもりはありません。
東京でもあるまいし、そもそも地方において自ら創業しようとする人間は限られています。
新規創業よりは第二創業、既存事業者の再成長の支援がはるかに現実的だと考えます。
公務員志向が強い地方都市で、あえて事業を行なっている (それを継ごうとする) 貴重な人たちをサポートすることは、地域にとって最優先の命題であり、地元事業者の経営改善/事業再生 (事業承継も含みます) は、地域金融機関にとって最も重要な任務です。
しかるに、地域金融機関において経営改善/事業再生に関わる人材の層は薄く、この仕事がキャリアパスとして高く位置付けられているところが少ないことは理解に苦しみます。特殊な職人集団との扱いをうけているケースがほとんどではないでしょうか。
トンデモナイ誤解です。地域金融機関の経営陣の意識変革が求められるところです。
地域金融機関で働く多くの人々と接する機会がありますが、率直に言って経営改善/事業再生を担う人たちは、ずば抜けて魅力的です。
厳しい環境の中で顧客のために知恵を絞り、真剣勝負をしているからだと考えます。
心は熱く、頭はクールですね
コメント
◆経営改善/事業再生に対する取り組みの重要性に気が付いた協会も在ります。
ほんの数年前まで、金融機関の各協会から小生にくる研修依頼は、「コンサルティング機能強化」で、「経営改善/事業再生」をテーマにしたものでした。
本来、「経営改善/事業再生」は当該企業を正しく理解してない限り、決して実効は上がらないものです。事業性評価(理解)があってこそのことです。
一方、「事業性評価にもとづく融資」の必要性がアナウンスされると、一斉に「経営改善/事業再生」に対する関心は失われたようでした。「事業性評価」のみに関心が移り、「経営改善・事業再生」関連項目のウェートを下げざるを得ない状況となってました。「『事業性評価(に基づく)融資』は、数字を伸ばすことに使えそうだ」という、ボリューム重視の経営の要請であったのかもしれません。
いただく時間によっては、さわりに触れることすらできないという状況が、ここ数年続いていました。
しかし、昨年暮れから、「事業再生の目線を織り込んだ講義を組み立ててほしい」という要望をしてき協会があります。
気が付いた動機は、「ここに来て与信コストが反転、ボリュームを補う為に出店した大都市部の、比較的あたらしい店舗で、不良債権化が心配される」という危機意識からだと思われますが、この様な協会もあります。
素直に喜んでいいのか・・・、複雑なところですはありますが(笑)。
与信費用が反転して、経営改善/事業再生の研修とは、まずは金融機関側の自分の銭勘定が見え隠れします。本当は債権回収のやり方を教えてもらいたいんじゃないですかね。下衆の勘繰りですみません。
【協会の研修担当者の名誉のために】
研修を受諾するとき、担当者と踏み込んだ打ち合わせをします。
その折、多胡先生の仰るように「新規創業を重要であるが、それ以上に、地方では、窮境企業であっても既存企業の活性化が重要性である」ことを充分にご存じでした。また、3日間にわたる研修ですので、もう一人講師を使います。その折、研修の一貫性を担保するため、その講師の人選まで、相談していただいてます。エージェントに丸投げではなく、協会としての考え方を全面に出して構成しようとする意欲を感じています。
あとは受講生が母体に戻って同その意思を生かすかだと思います。
ゾンビ企業・・・
このセンス溢れた(笑)例えが使われ始めた当初から、強く違和感を覚えていました。
提唱者の理論によれば、「新たな企業や産業の登場をゾンビが阻んでいる(≒新陣代謝の阻害要因)」とのことですが、(マクロ的な見地はさて置き)日々、中小企業と向き合っている立場からすると、全く腹落ちしません。
苦境に喘いでいる企業Aの廃業が、なぜに新たな企業Bを誕生させるのか?
このことについて、現場感覚では理解できないからです。
尤も、それ以前において、礼を失した例えだと思います。(現に事業は継続しており、雇用も維持しているわけですから。)
先日の橋本さんによるアネックスと併せ読むと、なお一層不安が募ります。