地域にとってなくてはならない

「地域にとってなくてはならない事業者を支えるのが使命」

最近、地域金融機関の経営者の口からよく出るフレーズです。

大変結構なお話です。

ところで、ワタシが「地域にとってなくてはならない事業者」と認定するポイントは、事業経営のイロハがキチンとしていることは当然のこととした上で、

~ 地元の取引先 (仕入先など)を大事にする、

~ 地元の雇用 (障害者雇用も含め) を大切にする、

ところです。

こういう事業者は業況が相当悪くなっても、地元取引先に迷惑をかけないし、人的リストラにも手をつけません。

いうまでもありませんが、中小小規模企業の場合、ビジネス環境の変化 (たとえば販売先の方針変更など) で、あっという間に赤字となり、立て直しにそれなりの時間を要することは珍しいことではありません。

その時間軸を資金繰り支援と本業支援 (新たな販路の発掘など)で徹底的にサポートするのが、メインバンクたる証しだと思います。

地域にとってなくてはならない事業者が赤字になるや、手のひら返しで、貸し渋り、貸し剝がしへと豹変する地域金融機関には、メインバンクを名乗る資格はありません。

このような金融機関をメインバンクとしている企業は、さっさとメインを変更することをオススメします。

こういうレイジーな金融機関は、捨てられる銀行へまっしぐらだからです。

「こんな金融機関しかありませんよ、地元には」

と嘆かれる、あなた。

実際、そのようなレイジーバンクしか存在しない困った地域もあることも事実です。地名を挙げたいですが、我慢します、笑。

某メディアが地域金融機関を対象にアンケートをとったところ、これから目指すのはビジネスモデルはリレバンだと、ほとんどが回答したとのことです。

ほかに選択肢がないことが、レイジーバンク達も分かり始めているんでしょう。

この中から本物が出ることを期待します。

 


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    「メインバンク」も、あやふやな言葉です。

    何を意味するのでしょうか。

    単なる残高トップ?

    或いは、日頃から「生活習慣」の相談に乗り、アドバイスしてくれる存在?

    これまでは、前者の「残高トップ」が当たり前に「メインバンク」でしたが、メインバンクにも2種類あるようです。

    「黒メイン」と「白メイン」と、はっきり切り分けましょう。

    事業者の方、士業、関係機関の方は、対岸の火事と甘く見ずに、よくよく注意された方が良いと思います。今の「黒メイン」の担当者が良くても、それは未来を保証しません。

    雨が降らなくても、雲行きが怪しくなっただけで、傘を取りあげる黒銀行もあるようです。

  2. 八代恭一郎 より:

    事業運営のイロハがキチンとしていることは当然のことということですが、これができている事業者は思いのほか少ないという現実は看過できません。ある程度の規模とまともな業況でもなければ、特に営業に関わる事業運営については、やる気が無いかいつまでもラッキーパンチを狙っているというのが、都会とはいえない地域の現実です。そのイロハすらできていない、本来BANKABLEでない事業者は思いのほか多く、そのような取引先ばかりを仕方なく対象とせざるをえない地域金融機関(トップ地銀を除く)が銀行免許を受けているわけです。だから、トップ地銀あたりはこうした“イロハができていない事業者”との取引を排除することになるのです。こうした事業者が地域からいなくなれば、間違いなく都会とは言えない地域経済は衰退するでしょう。

    事業運営のイロハができていないからこそ、イロハをできるようにするためのソリューションはとても簡単であるにもかかわらず、それすらアドバイスする力量のない地域金融機関があまりに多く、事業運営を避けてファイナンス周辺でのアドバイスに執着しているというのが現実だと思います。

    このアドバイスができない地域金融機関は、地域経済の現状をよそに、自らの財務改善ばかりに執着してきたからではないでしょうか。