🚩火事場泥棒

リーマンショックが冷めやらぬ某日、世界に冠たる日本の伝統産業の集積地を訪問したときのことです。

地元の地銀の貸し渋りが顕在化し、多くの事業者が資金繰り難に陥っていました。

驚くことに当該地区の事業者の多くは、金融円滑化法の存在すら知らされておらず、「事業資金の代わりに経営者個人のカードローン」との地銀の薦めに応じて高い金利を支払っていました。

とんでもないけしからん話ですが、紛れもない事実であり、これには地元事業者からの後日談があります。

~「金融庁の仕事をしている多胡さんという人が来て、金融円滑化法の話をしてくれたが、、、」と地銀の支店長に言った途端に顔色が変わって、事業資金の条件変更に応じてくれた。

さて、

コロナウイルスで全国民が苦境に陥っているときに、このような酷悪非道なことはないだろうと思っていたのですが、あにはからんや、、、

P県の事業者の奥様からの相談事ということで、私の耳に入ってきた話です。

地元の信用金庫P の職員が来て、個人ローンを勧められ、契約をしたとのこと。金利は9%。

火事場泥棒のような仕業です。

「事業主さまの奥様から多額な消費者ローンの申し込みが上がってきた段階で決裁は絶対しない。」(この事業者の隣県にある信用金庫Xの支店長)

これがまともな地域金融機関の対応です。この事業者さん、本社を移せるものなら、信用金庫Xのある隣県に移したらいいのではと思います。

事業者側の「金融リテラシーが低い」の言葉でかたずけてはいけません。

お医者さんのおっしゃることを従順に聞くワタシです。何か問題が起きた時に「あんたの医療のリテラシーが低い」と言われても納得できませんよ。

この信用金庫P の経営者は、貸し手責任をどのように考えているのでしょうか。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    馬脚。こういう類いを詐欺「まがい」と申します。ほぼ詐欺ということです。

  2. 長川康一 より:

    信金や信組はフリーローンやカードローンといった商品の取り扱いを止めることを考えるべき。
    組合員・会員に気づかいができることが信金・信組の職員資質。
    気づかいできる職員はこうした商品を勧めることなどできない。
    こうした職員がいるとしたらその組織は信金・信組でない。

  3. 森脇ゆき より:

    信用金庫Pの職員さん、最近の子供は「魚は切り身のまま泳いでいると思っている」らしいですが、その通りですよね。そしてアナタのお給料は「ATMがくれる」のですよね・・・。
    「違う」ことは重々ご存知でしょう。ご自分の良心に蓋をしているだけかと存じます。
    この息苦しさから抜け出すヒントは幸福学(not宗教)が教えてくれます。その一つに「目線を広くする」ことがございます。
    私は地域金融のお仕事をとても尊敬していますし、心ある職員の方々を応援しています。
    (あなたが組織を形成するゾンビの一人になっちゃダメですよ。血の通った人間でいましょうよ。)

  4. 寺岡雅顕 より:

    【本当に凝りませんね】
     高度成長時代の1980年代後半、大口のカードローン(資金使途自由、リボルディング方式)が各金融機関で扱われてました。「必要ない」と仰る経営者に対し、ノルマの消化のために押し売りしたものです。

     加熱した景気を覚ますために金融が引き締められた折、このカードローンで借りて会社に投入し急場をしのいだ企業もあったのも事実ですが、バブル崩壊後、多くの悲劇を招いたことを我々は記憶しています。

     本当に凝りませんね、この業界は・・・。何を学んできたのでしょう。