「たとえ以前から融資条件を変更している(業況が厳しい)顧客であってもむやみに断らず、地域経済を守る、雇用を守るんだという使命感を持ってしっかりやってくれと、3月初旬の支店長会議で言い、4月も口調を強めて指示した。3月に創立100年を迎えた。我々は地域に育ててもらってきた。地域あっての我々なのであり、これは常々言っていることだが、こちらが利ざやを確保するというだけでは先細りになるから、顧客企業の課題を解決する、価値ある提案をして、顧客と収益を共有せよと、腕の見せどころだと言っている」
11日の日経新聞四国版にある、観音寺信用金庫(香川県) 須田理事長のインタビュー記事「信金の真価 見せどころ」の抜粋です。
この記事を見て、改めて思ったのは、地域金融機関の“資本”は地域に育ててもらった証 (あかし) であり、戦後最大の危機的状況の今、それを地域経済、地域社会 (その基本は雇用) のために使わずして、いつ使うのだということです。
このブログで何度も書いていますが、信用コストの増大による資本の毀損を恐れて、危機対応資金は公的金融に丸投げ、100%保証融資制度ができたらやっとこさ立ち上がるという姿勢は早急に改め、スピーディーに地域顧客に向き合い伴走 (さらには代走) しなければなりません。
「地域金融機関が健全であれば、崩壊した地域経済/地域社会を立て直すことができる。だから健全性だ。」というのは詭弁です。
コメント
2月に信濃の国に言ってきました。この四国の信金さんと同じで、まぁコロナであろうがなかろうが色んな事をやってるだろうな。と思います。
僕が信濃とか島根とかで見たり感じたりしたことを、色んなチャネルでお話するのですが、これは北海道に限らず『自称金融のプロ』を語る人ほど
僕の見た島根や信濃の『特殊性』を一生懸命に説明してくれます(笑)いかに彼らが特殊で、まるで地域の為に行動しないのが、金融機関のスタンダードであるが如く…
それでいてお客様には『前を向いて頑張りましょう』とか『私達も応援してます』とかはちゃんと言うんですよ。
飲食や観光は即効でダメージきてます。元々経営基盤が脆弱だったり、観光などは再生局面の地獄の1丁目くらいの処でインバウンドに助けられた処も多いので、金融機関も『難癖』つけて断るのも簡単なのかもしれません。
でも、これからは上場企業の業績や操業に直撃した影響がモロに、それぞれの地域や県の企業郡に出てきます。
それらの企業は地域の経済基盤そのものですから、信濃や島根の『特殊性』を必死に解説して、言い訳するんじゃなくて、遅まきながら学びに行かなくちゃならんですよ。
防護服でもなんでも着て(笑)
「資本は地域に育ててもらった証」…とても腹に落ちます。有事の今こそ地域金融機関の出番です。
楢山さん
ここが乾坤一擲の勝負です。
お客さまに組織全員が一丸となって伴走、代走してください。
競合を振り切る絶好の機会です。
多胡