本日、地方銀行同士の統合・合併を独占禁止法の適用除外とする特例法が参院本会議で可決、成立したようです。
この法律が俎上に上がった頃は、救済合併はあまり念頭に置かれていなかったようですが、コロナ戦争が長期化する過程で、地域銀行の中には業況悪化するところも出てくるかもしれません。
金融機能強化法による個別金融機関への資本注入とともに、合併も一つの選択肢になることは否定できませんが、体力が落ちた地域金融機関に果たして合併費用が出せるのか。
合併と同時に公的資金を注入して、資金の一部を合併費用に充てるようなこともあるのではと思っています。
とはいえ、プロダクトアウトのトランザクションバンキングである限り、合併したとしても余命を少々伸ばす程度の話。トランザクションバンキングは、もはや銀行のコスト体系で行えるものではなく、合併による規模の拡大程度では焼け石に水です。
ビジネスモデルを顧客本位のリレバンに転換しない限り、地域金融機関が生き残ることはないでしょう。
コロナ戦争でリレバンの底力が明らかになりました。実際、組織的継続的なリレバンを行なっている地域金融機関はコロナ禍でも微動だにしません。
壊れたレコードのように同じことを言い続けていますが、合併を考える前にビジネスモデルの転換を進めるべきです。
★追伸:
こちらの方も是非ご高覧ください。
コメント
特例法の適用を受けられる大前提として対象行が「地域経済エコシステム」という生態系にとって必要な存在である、という事が挙げられます。
未だに建前の顧客本位を振りかざし自行本位の営業推進で目の前の収益獲得に勤しむような時代遅れの銀行は、生態系に有害な外来種として駆除されるべきだと私は考えます。
早期警戒制度もこの点をしっかりと見極めた上で発動されるべきで、これを見誤ると特例法の主旨に反するケースが出てくる懸念があります。
貸出シェアで地域を語る時代ではもはやないのですが、他方、店舗がなくなるということは、相談の窓口もなくなることになります。信金信組の空白地は大丈夫でしょうか?コロナ禍でテレビに取り上げられる金融機関はどれも信金信組ばかりですが。本当に困った時相談できるのはコミュニティバンクということがハッキリしたということですか。
信金信組でもダメなところはたくさんあります。一方、第二地銀でも頑張っているところもあります。業態の問題ではなく、個別の金融機関の問題なのです。
リレバンをやっている金融機関がない地域がたくさんあることを危惧しています。
新田さんの仰るとおりかと存じます!